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妊娠中に発達障害と双極性障害Ⅱ型を抱えてもー減薬から心身ケアまでリアル体験をシェア

2025.08.13

私は発達障害(ADHD、算数LD)に加え、双極性障害Ⅱ型と診断され、抗うつ剤や気分安定剤を1日最大20錠近く服用していました。妊活もしていない自然妊娠だったので、事前に減薬もしていませんでした。薬は主に朝服用するものと、夜寝る前に服用するものが多いのですが、妊娠がわかったのは午前中でした。今後の仕事の調整やお金のことなど考えることが多い中、「そう言えば今夜から薬を飲めないのでは?」と気付いたのです。

妊娠による減薬の試み

 精神科には事前予約をしていないと行けないため、電話で主治医(元児童精神科医/2児の母)に問い合わせました。当時はスギ花粉症の季節で、精神疾患以外にアレルギーの薬も処方してもらっていました。主治医からは、「急にすべての薬をやめると心身に大きな負担がかかるので、少しずつ減らしていきましょう」と説明を受けました。また、妊娠中に使う薬については、「絶対に控えるべき薬」「できれば控えたい薬」「服用しても問題ない薬」の3種類に分かれるとのことでした。

私の場合、処方されている薬の中で「控えるべき薬」の筆頭がアレルギーの薬でした。しかし、ひどい花粉症なので薬無しだと日常生活に支障をきたします。そこで急遽、妊娠中でも飲める薬に変更してもらい、処方箋を郵送していただき、近所の薬局で薬を受け取ることができました。

その他の「できれば控える薬」は徐々に減らしていき、妊娠判明から2ヶ月ほどで就寝前の睡眠薬0.5錠にまで減薬成功しました。主治医からも「よく頑張りましたね」とお褒めの言葉をもらいました。

また、診察で主治医から「姫野さんは妊娠を機に双極性障害の症状が落ち着くタイプですね」との指摘。確かに妊娠中は控えなければいけない食べ物があったり、お腹が張って苦しいことがあったりと、大変な面はありますが双極性障害の症状はピタリと収まっています。妊娠によって精神疾患の症状が治まるかどうかは人によるそうで、私の場合は良い方向に作用したようです。

※ここで紹介している内容は私自身のケースです。薬の調整は個別の状況に応じて異なるため、必ず主治医に相談の上で判断してください。

「妊娠糖尿病」診断!食生活の大改革とウォーキングで体調管理

順調に思われていた妊娠生活ですが、妊娠後期に入る直前の妊婦健診にて血糖値の検査に引っかかってしまい「妊娠糖尿病」と診断されました。妊娠糖尿病とは、妊娠中に初めて発見される糖代謝異常で、妊娠によるホルモン変化の影響でインスリンの働きが弱まり、血糖値が上がりやすくなる状態を指します。今まで血糖値が高いと言われたこともなかったし、尿検査で糖が出たこともなかったので大丈夫だと思っていたのですが、数年前に診断の基準が見直され、今や妊婦の8人に1人が妊娠糖尿病と診断されるそうです。

妊娠糖尿病の治療は食事管理がメインです。食事管理をしても血糖値をコントロールできない場合、インスリン注射や場合によっては入院になるのですが、私は医師から自宅での食事管理を言い渡されました。

それまでは朝兼昼食で1日2食、麺類も多く摂っていたのですが、この食生活だと血糖値が上がりやすくなると栄養士さんに言われ、食事を見直しました。白米からもち麦ご飯に変えて麺類を断ち、野菜ときのこをたっぷり、毎日こんにゃくと海藻を摂って塩分を控えるバランスの良い食事を1日3食。また、食後に軽いウォーキングも効果的ということで、1日2回、30分のウォーキングも始めました。

おかげで2週間後の検査で血糖値は正常になっており、体重も適度にコントロールできました。そして妊娠前から悩まされていた便秘も解消されたことが嬉しかったです。

マタニティ整体との出会いと身体の変化

もう一点、身体のケアとしてマタニティ整体に通うようになりました。もともと、10代の頃から肩こりがひどく、医師から「メンタル面に不調を抱えているため緊張しやすい状態。緊張から肩こりがきている」と言われたことがあります。そのため、定期的にマッサージや整体に通っていたのですが、妊娠すると通常の整体はうつ伏せでの施術なのでお腹が圧迫されるため受けられません。お腹が大きくなってくるとその重さを支えるため、腰に負担がかかります。そのため腰痛もひどくなってきて、調べていると見つけたのがマタニティ整体でした。

試しに施術を受けてみたところ、うつ伏せではなく横向きの施術なのでお腹を圧迫されることもなく、こり固まっていた肩や肩甲骨周り、腰を徹底的にほぐしてくれました。つらくなってきたらまた施術を受けようと思っていたのですが、施術後にマタニティ整体のサブスクがあると知らされ、それを利用するとかなりお得。週1回通うことにしました。

妊娠前は肩こりが限界になったら整体に行っていたのですが、週1回と決めると身体が限界を迎える前にほぐすことができるので、妊娠前よりも身体が軽くなったように感じます。

また、妊娠前は脂っこいラーメンやジャンクフードを食べることが多く、毎日お酒も飲んでいたので健康的な生活とは言い切れませんでした。しかし、今は「自分だけの体」ではありません。日々元気な胎動も感じられるのでますます「二人分の体」に責任を持つようになり、食事や生活習慣に気をつけています。

不安と向き合う日々

精神科の主治医に言われた通り、妊娠してから精神的には落ち着いてはいるのですが、毎日がハッピーマタニティライフというわけではありません。今までと変わらず自由に生モノを食べてお酒を飲んでいる夫を見ていると「なぜ自分だけ制限ばかり……」という孤独感に襲われることもあります。しかし幸い、うつ状態は改善しているので、心身ともに前向きでいる時間が増えました。

残り2ヶ月、目標に向けて

 妊娠生活も残り2ヶ月。母子ともに健康な出産に向けて、できる限りのケアを続けていきたいです。赤ちゃんに会えることを心から楽しみにしています。

執筆者プロフィール

姫野桂

フリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。
日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。趣味はサウナと読書、飲酒。

著書
『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)
『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)
『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)

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