自閉症の赤ちゃんとそうではない赤ちゃんの違い

私はファミリーサポートの援助会員として幼い子を預かっています。定型発達のお子さんを0歳の頃から預かり、既に2歳になりました。自閉症の息子が赤ちゃんだった頃との違いを感じています。

第1子が定型発達児だった場合、2人目を育ててみて上の子と比べながら「あれ、なんか性格や個性では片づけられないものがあるぞ、おかしい」と発達の凹凸の気づきは早いかもしれません。

けれども、第1子が自閉症だった場合、「0歳ってこんなものかな」と思ってしまい気づきが遅くなるかもしれません。その後、第2子を産んでみてその子が定型発達児だった場合、2人目を育ててみて、上の子が通常の発達の赤ちゃんではなかったことが改めてわかることもあります。

今回は定型発達の子と息子の幼い頃の違いをまとめてみました。

 

【息子にはなかった、定型発達の0歳の子の行動】

・指さしをする。(取ってほしい玩具などを指す)

・言葉は喋れないが表情で訴えてくる。

・手の甲を相手に向けている逆さバイバイではなく、正しい方法でバイバイをする。

・親が迎えにきたら、嬉しそうに近寄る。

・名前を呼ぶと反応する。

・私が手を広げると「抱っこしてほしい」のポーズをとり、手を広げる。

・抱っこすると大人に身体を預けてくる。(カチコチでなく、柔らかい)

・手をつなぐことができる。

・オムツ替えや靴を履くとき協力してくれる。(足を出すなど)

・テレビの子ども番組の踊りを真似する。

・大人の真似をする。

・絵本に載っている食べ物をつまんで食べさせると、口を開ける。

・知らない人を警戒する。人見知りをする。

・知っている人に笑いかける。

・名前を呼ぶと振り向く。

・散歩のとき、よその子がいると関心を持つ。(喜んだり、怖がったりどちらかの反応)

・他の子が使っている玩具に興味を示す。

・よその子や兄弟姉妹に玩具を取られて、泣く。

・大人から離れると、不安げな表情をする。

 

もちろん項目が当てはまらないからといって、自閉症であると決めつけることはありません。また、0歳だと医師から「まだ診断はできません。2歳過ぎたら連れてきてください」と言われてしまいます。

 

【息子にはなかった、定型発達の2歳の子の行動】

 

■魔の嫌々期

私が「靴下を履こう」と言ったら「いや!」、「だったら裸足でいよう」と言っても嫌、命令されることが嫌な様子です。でもこれも立派な会話です。息子には嫌々期はなく、世の中すべてが嫌。自傷、パニックの毎日でこれが小学校低学年まで続きました。

 

■大人の表情を読み取る

「検討しておきます」の字面だけとらえて、行動してしまう発達障害の大人、その場の空気、相手の声のトーンや顔つきを見て、断りなのか歓迎なのか判断できないでトラブルが起こります。

息子は成人した今でも相手が拒否の素振りをしているのに、しつこくしてしまい相手から嫌がられることがあります。

それに比べて目の前の2歳児は開けてはならない戸棚を開けようとしたとき、私が「あれ?あららら?」といつもと違う低い声、いつもと違うゆっくりした話し方で伝えると、「やっちまった」という顔つきをします。相手の声のトーンや顔の表情を読みとる能力を既に持っています。

 

■ごっこ遊びができる

ままごとの道具を本物にみたててお皿に置き、食べる振りをすることが出来ます。見立てて遊ぶことができるのは、想像力が発達している証拠です。

また、息子はなかなか人形やぬいぐるみを擬人化出来ず「餌やる」と幼い頃、言っていました。

 

■人の真似をする

友達が石を投げていたら真似をします。友達が砂場で遊んでいると同じようにやりたがります。良いことも悪いことも真似します。これは他人がしていることに興味関心があるからです。言葉も人の真似をしてドンドン増えていっています。

 

■泣き真似をする

大人に構って欲しくて時々“カマッテちゃん”に変身する子。転んで1分以上経って痛みは引いているのにも関わらず、大人の気を引くために、泣き真似をします。涙が出ていないことで私は泣き真似だとわかります。

 

■質問に的確に答える

「これ、だあれ?」と私自身を指さして聞くと可愛い声で「たていしゃん」(立石さんの意味)と答えてくれます。

息子は小学生になっても「これ、だあれ?」と私が自分の顔を指して聞いても、「お母さん」ではなく「鼻」と答えていました。

最近もタクシーに乗ったとき、運転手から「僕のお名前は?」と聞かれた時、「鈴木太郎」とタクシーの運転手のネームプレートを読んでいました。

相手の立場になって話を理解することができないので、その場にあった答えができません。家をでるとき、「行ってきます」ではなく、「行ってらっしゃい」と言いながらドアを開けて出ていきます。

 

■成長している

息子は幼い頃、

逆さバイバイすらしませんでした。逆さバイバイする子は、人に関心があるので間違った向きですが真似できます。

成人した息子は逆さバイバイではなく、ハイタッチを求めると、手のひらを私の手のひらに打ち付けてくれます。

また、私が「行ってらっしゃい」と言うと、「行ってらっしゃい」と言い出かけます。

本人は「行ってきます」の意味で言っています。「間違っているけれども人の真似をしている点では成長してるのかな」と思います。

 

目の前の2歳の子と比べて、未だに比べる病に侵されている私ですが…よくお手伝いしてくれます。

例えば

・トイレットペーパーがなくなったら、新しいものに取り換えてくれます。次に使う人の身になれているのかパターン化しているのか、ともかく替えてくれます。

・新聞を取りに行く等、決められた家事は文句を言わずにやります。

私も自閉症児を育てる親として見る視点を習得し、成長しているのかもしれません。

執筆者プロフィール

立石美津子(たていし みつこ)

著述家
20年間学習塾を経営、現在は著者・講演家として活動。
自閉症スペクトラム支援士

『一人でできる子が育つテキトーかあさんのすすめ』
『はずれ先生にあたったとき読む本』
『子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方』
『動画でおぼえちゃうドリル 笑えるひらがな』
など著書多数

日本医学ジャーナリスト協会賞大賞受賞作『発達障害に生まれて(ノンフィクション)』のモデル
オフィシャルブログURL http://www.tateishi-mitsuko.com/blog/

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