気になる…?きょうだいの結婚

2021.06.29

◆きょうだいへの質問で多いのは「結婚」のこと

私は、障がいのある弟と育った「きょうだい」です。きょうだいの会や講演などで、きょうだい、親の方々を問わず、質問されることが多いのは、「結婚していますか?」、「結婚の時、相手やその家族の反応はどうでしたか?」など、結婚についての質問です。

相手もその家族も理解があり特に問題がなかったというケース、相手やその家族に最初は少し懸念があったけれど最終的には理解してもらえたケース、相手やその家族に壁が…というケースなど、さまざまです。結婚は、自分と相手の双方の合意のみにおいて成立するのが原則ですが、家族も関わってくるのが実情です。

私自身は、夫とは障がい関係の仕事で出会いました。結婚して7年目になり、2人で生活していて、実家の家族と会うのは、今はコロナの状況下なので減っていますが盆暮れなど年に数回、誕生日などにはLINEや電話をしています。夫は学生時代から親の介護をしていました。きょうだいの立場ではありませんが、経験や感覚が近い部分があります。ただ、家族に障がいのある人との関わりがあまりなくても、障がいのあるきょうだいとスムーズな関係性になれる人も多くいますので、本当に人によると思います。

◆きょうだいの障がいを相手にいつ、どのように話すかという悩み

しかし、私は、結婚前、特に学生時代は、「いつ、どのタイミングで、きょうだいの障がいのことをどう話すのか」を悩んでいました。

誤解されたくないのですが、弟のことが恥ずかしかったり、隠したかったわけではありません。むしろ、弟のことを話したかったですし、理解してほしいと思っていました。しかし、何よりも「相手の反応が不安」でした。

子どもの頃から、障がいのある弟だけでなく、親やきょうだいの私も、差別や偏見に遭ったり、障がいをタブー視されることがあったので、障がいのある人と家族/それ以外の人という壁を感じてしまっていました。この点は、あまり壁を感じないという人もいますので、背景事情や経験、性格などによる個人差も大きいと思います。

私の心配とは裏腹に、相手は「そうなんだ」くらいの反応がほとんどでした。私の方がわかってほしいと理解を求める気持ちを相手に押し付けてしまっていた部分もありました。そのことには、きょうだい会の先輩の助言がきっかけで気付きました。

◆きょうだい会で適切な相談相手に出会う

私がきょうだい会にはじめて参加したのは結婚と進路の悩みが重なっていた時でした。ひとりで悩み続けるのではなく、同じような経験をしている適切な相談相手に出会えたことが私にとっては転換点でした。

きょうだいの会に関心はあるものの、参加にハードルを感じている人もいると思います。今はZoomで参加できる会、親や支援者の方が参加できるイベントもあります。また、インターネット上には体験談の記事や動画などもあります。

ポイントは、障がいのある人のきょうだいといっても、それぞれ背景事情や経験、考え方、感じ方などが違うので、自分と相性が合う人を探すことだと思います。他方で、最初は違う!と感じた意見が、後にヒントになることもあります。きょうだい会や体験談については「シブコト障害者のきょうだいのためのサイト」などでも紹介しています。

◆さまざまな人生・家族のカタチ

さて、「結婚」に話を元に戻します。「いつ、どのタイミングで、きょうだいの障がいのことをどう話すのか」は、私は次第に早い段階で話すようになりましたが、家族に関する大事なことなので相手が信頼できるかどうか判断してから話したいという意見もあります。自分に合うものが自分の正解ではないでしょうか。
今回のコラムは、質問されることの多い「結婚」について取り上げましたが、前提として、さまざまな人生・家族のカタチがあります。何が自分の幸せかは自分が決めることが大切だと思います。

執筆者プロフィール

藤木和子(ふじき かずこ)

1982生まれ。弁護士。
障がいのある弟と育ち、「障がいのある人のきょうだい」の立場で活動
全国障害者とともに歩む兄弟姉妹の会 副会長
シブコト障害者のきょうだいのためのサイト 共同運営者
聞こえないきょうだいをもつSODAソーダの会 代表
NHK、AbemaTVに出演、新聞各紙に掲載
プロフィール
YouTube : SODAきょうだい児と福祉、法律、情報ちゃんねる

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