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発達障害のある人と夜職

2026.08.20 2026.8.20

発達障害の特性によって、デスクワークや接客業だと職場での負荷が大きくなりすぎてしまい働けなくなってしまう人がいます。そのとき、働き方の選択肢として「夜職(キャバクラ・風俗など)」が現実的に見えるケースがあるのも事実です。

ただし重要なのは、夜職が“発達障害に合う”という単純な話ではないことです。夜職に限らず、どんな仕事にも向き不向きやリスクがありますし、同じ特性を持つ人でも置かれる環境はさまざまです。

本稿では、夜職が選ばれやすい背景として語られがちな要素と、見落としやすい問題点の両方を整理します。

夜職が選択肢になりやすい背景

私の友人や知人にも夜職を選択している発達障害のある女性は多いです。例えば次のような条件が「続けやすさ」に影響している可能性があります。

シフトの自由度が高い(当日欠勤も可)

発達特性により体調の波があり、また疲労がたまりやすい場合、当日欠勤やシフト調整が柔軟にできると助かりますし、夜職は比較的そのような傾向にあるようです。また、ASD特性があり、規則的なスケジュールを好む人は自分で休みや出勤日を決めることができると働きやすいですよね。

固定給ではなく歩合給&日払い

夜職の多くは指名数や売上が上がるとすぐに評価され、実際に給与も増えます(逆のパターンも)。その即時性や刺激が心地よいタイプの人には向いているかもしれません。また収入を短いサイクルで得られる働き方は、「(借金や浪費などで)今すぐにお金が欲しい」生活上の切迫感がある人にとって魅力的にうつるでしょう。

対人負荷を調整しやすい

風俗店の場合、店舗によっては個室待機など、対面での待ち時間やコミュニケーションの形が比較的限定されるケースがあります。「同僚や上司との長時間の関係構築がストレスになる」タイプの人にとって、対人の負荷を下げられる可能性があります。 

また、これは私が感じていることですが、夜のお店はもちろん常連さんもいますが、一回こっきりのお客さんも多くいます。一回限りの気楽さというものもあるのではないでしょうか。

しかし問題もリスクも多い

さて、ここまで発達障害女性と夜職の相性の良さを綴ってきましたが、問題点も多くあります。

精神的負荷

高収入と引き換えに心身に負荷がかかる可能性はあります。性に関する仕事という性質上、本人の気持ちや境界線を守ることが難しく、メンタル不調につながってしまいます。

搾取されやすい

夜のお店は性を含むサービスが商品になるため、心身の負担が大きく、自分の存在価値を見失いがちになります。そのため本人の存在や頑張りを認められたい気持ちが強くなり、自分のつらさややめたい気持ちより仕事での存在価値を優先してしまうことがあります。

またメンタルの揺らぎを察知した黒服スタッフがスタッフ管理の一環で親身に話を聞いたり食事をごちそうしてくれたりすることで、「もう少し続けよう」と踏みとどまってしまうケースもあります。こういうのも搾取、というのかもしれません。

体調面や健康リスク

キャバクラやホステスは毎日お酒を飲むのが仕事なので、内臓に負担がかかる上、昼夜逆転の生活により自律神経も乱れます。風俗も性感染症や望まぬ妊娠、というリスクがあります。

ストーカーなどの安全問題

恋人のような時間の提供を心掛けていると、時折勘違いしてストーカー化する客が現れます。たまに、夜職の女性が男性客に殺されるというおぞましい事件も起こっています。

ほかにも社会保障がない、稼げるのは若いうちだけでその後のキャリア形成が難しいなど、多くの問題があります。

ではどこで働けばいい?

夜職は問題がたくさんならばどこで働けばいいの? と思うかもしれませんが、現代は障害のある人も働きやすい社会へと少しずつ変化しています。昼職/夜職の二択で考える必要はありません。

特にコロナ禍以降、人と直接顔を合わさないで済むリモートワークが増えています。フリーランスという働き方の選択もあります。様々な可能性を探りながら、自分の苦手分野をできるだけ排除した職を見つけることが重要です。

職探しに悩んでいる方は、自分の特性にはどんな働き方が合うのか、メリットとデメリットを考えてみてくださいね。

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*身体障害のみまたは精神障害のみの場合は現在就労されていることがご加入の条件です。
また、精神疾患は保障の対象外です。

 

執筆者プロフィール

姫野桂

フリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。
日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。趣味はサウナと読書、飲酒。

著書
『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)
『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)
『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)

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