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発達障害のある私が結婚生活で気を付けていること

2025.05.07

私事ですが、昨年10月に結婚してつい先日妊娠もわかりました。3年ほど同棲していたのと、夫に私の姓になってもらったこともあり、あまり日常生活に変化はありませんでしたが、新婚旅行が初めての二人での旅行だったので、とても楽しかったです。また、妊娠してからはますます夫婦の絆が深まりました。

さて、筆者と同じように発達障害のある友人が、以前とある媒体で発達障害についてインタビューを受けたそうです。その友人はたくさんの苦難を乗り越えて現在は結婚しています。そのこともインタビューで話したところ、コメント欄には「結局結婚して終わりかよ」といった、発達障害女性の結婚に嫉妬するようなコメントで溢れていたそうです。友人は「結婚するまでいろいろとあったんだよ!」と憤っていました。大変だった彼女には、本当に幸せになってほしいと思っています。

ところで、「理解のある彼くん」というネットスラングがあります。これは、生きづらさを抱えている女性のことを理解してくれるパートナーのことで、「発達障害女性は理解のある彼くんと結婚できるからいいよな」と言われがちです。まさにこの友人もネット上のコメントでそのようなことを書き込まれていたわけです。しかし、本当に発達障害女性が「理解のある彼くん」と結婚してうまくいっているかどうかなんて他人にはわかりません。 決めつけはやめてほしいなと思ってしまいます。

今回は、今後幸せな結婚生活を送っていきたい筆者が、普段気を付けていることを紹介していきます。

幸せな結婚生活のために①:自分の特性をふまえた家庭内ルール決め

発達障害の特性によって、得意なことと不得意なことがあります。例えば筆者は算数LDのため計算が苦手なので家計は夫に任せています。逆に得意ということではありませんが、飼い猫2匹の世話は家にいることの多い私が担当しています。

このように、できないことはパートナーに任せ、得意なことやできることは自分が担当するといったルールを決めておくと喧嘩を防いで穏やかな結婚生活が送れます。事前にパートナーに、自分の得意なことと不得意なことを伝えておきましょう。

幸せな結婚生活のために②:自分が悪いときはまず謝る

特性によって、喧嘩や言い争いになって自分が悪い場合、謝るよりも先に「なぜこうなったか」の理由を説明する人がいます。(ASD特性のひとつとされているようです)でもそれは、相手がいわゆる定型の場合、単なる言い訳にしか聞こえないため、余計怒らせてしまいます。理由を説明したくなる気持ちもわかりますが、自分が悪い場合はまず一言目に謝ってからその後に理由を説明するようにしましょう。

私にも身に覚えがありますが、ADHDの特性の一つとされる衝動性の高さから 衝動的な発言で失言してしまうタイプの人も同じように、「言ってしまった!」と思ったらすぐに謝りましょう。

幸せな結婚生活のために③:「理解のある彼くん」を求めすぎない

冒頭でも述べた「理解のある彼くん」。「理解のある彼くん」と結婚をした発達障害のある女性を何人か知っていますがそれは稀な例です。本当に「理解のある彼くん」なんてなかなかいません。いたとしても、元々はそうではなく発達障害女性と付き合っていくうちに学んでいったという場合が多いかもしれません。

過度に「理解のある彼くん」を求めすぎるとまずパートナーができません。そして既にパートナーがいる場合、「理解のある彼くん」を相手に求めすぎるとパートナーが疲れてしまいます。パートナーの気持ちをよく考えて自分の気持ちに折り合いをつけ、お互い気持ちよく過ごせるようにしましょう。自戒を込めて。

まとめ

夫婦にはそれぞれの形があります。友達のような関係の夫婦、いつまでもラブラブな恋人同士のような関係がいい夫婦、子どもを持ち父親と母親を兼任している夫婦。そして一番大切なことはお互いを尊重し合うことです。自分たちはどんな夫婦関係でいたいのか、よくパートナーと話し合って幸せな結婚生活を送りたいですね。

執筆者プロフィール

姫野桂

フリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。
日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。趣味はサウナと読書、飲酒。

著書
『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)
『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)
『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)

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