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発達障害の私がうまく買い物する方法

2023.07.19

私には発達障害があり(ADHD、算数LD)スーパーでうまくお買い得商品の買い物ができません。

スーパーは私にはまぶしすぎる 

スーパー、特に精肉や鮮魚コーナーは商品が煌々と光で照らされて視覚的に困難を抱えている私には眩しすぎて見えにくいです。発達障害のある人の中には定型発達の人には問題ない光が異常に眩しく感じる人もいます。その上、私は視覚情報の処理に問題があり、広い店内で安い商品を探すのが難しいのです。

(私は聴覚処理にはそこまで問題はないのですが、発達障害のある人の中にはスーパーの店内BGMが大きく感じる人や喫茶店や居酒屋で人と会話している際、他の人の話し声や食器の音などが混ざりあって聞こえて会話を聞き取りづらい人もいます。) 

先日、こんな出来事がありました。一緒に暮らしているパートナーから「豚肉を買ってきて。できるだけたくさん入っているもの」とお使いを頼まれたので、近所のスーパーへ向かいました。そして精肉売り場へ行ったのですが、豚肉の種類がたくさんあり、ここで私の視界は少しオーバーして、どれがいいのかわからなくなってしまいました。

加えて商品が眩しく光って見えて早く売り場から離れたく、目の前にあった大量に入っている豚肉をとっさにつかんで買いました 。

帰宅すると彼は豚肉の値段を見て「なんでこんな高い豚肉を買ってきたんだ!他に安いのあったでしょ?」と怒っています。そして「もう今後は僕が買ってくる」とまで言われてしまいました。

しかし、やはり彼は仕事の都合上時間がなく、フリーランスでわりと時間の融通のきく私が買い物に行かないといけないこともあります。そこで私は脳梗塞の後遺症で高次脳機能障害のある、執筆家の鈴木大介さんに相談しました。

アドバイスされた買い物方法 

高次脳機能障害の人の中にも、発達障害と似たような症状が出る人がいます。鈴木大介さんも今はだいぶ回復していますが、初めて取材でお会いしたときはキャップを被って光を遮り、耳栓で余計な音をカットし、カメラマンさんにもシャッターの光はオフにしてもらうよう頼んでいました。そんな鈴木大介さんにアドバイスされた買い物方法が以下になります。 

方法1.小さな個人店で買い物をする 

広いスーパーではなく八百屋や精肉店など小さな店で買い物をする方法です。八百屋や精肉店は煌々とした光も少ないですし、売り場も狭いので目当ての商品を探しやすいです。

幸運なことに、私の住む近所には安い八百屋と精肉店があり、私はできるだけその店で買い物をするようになりました。同じ商品がスーパーよりも安いので、食費も浮くようになってパートナーも喜んでくれました。

方法2. 具体的な商品の詳細をLINEしてもらう

また、私は商品の数や種類など、具体的なことを忘れやすいので、パートナーからのお使いの際はLINEで買ってくるものを詳細に送ってもらうようにしました。例えば、「鶏ササミ肉2kg」といったところです。(ちなみに、肉は大容量のものを買って小分けにして冷凍し、使いたいときに解凍して調理しています。)

このように、彼にお使いを頼まれた際、具体的にLINEしてもらうことにより、商品の買い間違えや買い忘れなどの失敗が減りました。

私のように発達障害の特性により、スーパーでお買い得に買い物をするのが苦手という人もいると思います。そのような人は、今回ご紹介した方法をはじめ、いろいろ試してご自分に合った方法を見つけ、日常の困難を減らしていただきたいなと思います。

執筆者プロフィール

姫野桂

フリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。
日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。趣味はサウナと読書、飲酒。

著書
『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)
『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)
『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)

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