まだ子どもが学齢期、目先のことで手一杯というケース(親なきあと相談事例)

お子さんが学齢期の場合は、次の進学先や卒業後の進路、障害基礎年金の準備など、考えなくてはいけないことが多く大変です。でも「親なきあと」の心配も、まだまだ先のことですが、心のどこかにいつも引っかかっています。

■今のうちから準備すべきことは何でしょうか

息子さんは特別支援学校高等部の2年生。IQは80程度で知的障害の範囲外ですが、周囲とのコミュニケーションがうまく取れず、小学生のときからいじめにあっていて、中学生のときに医師から広汎性発達障害の診断を受けたとのこと。

息子さんは今の学校に楽しそうに通学していて、ご両親もまだまだ元気なので、今は特に困っていることはありませんが、これから支援学校を卒業したあとに、仕事はできるのか、障害年金はもらえるのか、そして親がいなくなったあとは本人の生活はどうなっていくのか、将来についてはわからないことだらけで不安がいっぱいとのこと。今からどんな準備をすればいいのかというご相談です。

まずは手帳の取得で支援を受けやすくしましょう

 

将来のために考えておきたいことはいろいろありますが、まずは障害者手帳の申請をしたいところです。広汎性発達障害とのことなので、精神障害者保健福祉手帳は取得できる可能性があります。手帳があることで、支援を受けられることが増えますし、何よりも就労の際、通常の採用が難しくても、障害者雇用で働ける道が開けます。

障害基礎年金がもらえるかどうかはなんとも言えませんが、かかりつけのお医者さんがいらっしゃるので、診断書のことなど相談しておいてほしいと思います。

将来のお金のことですが、働いて得られる収入や年金以外にも、定期的な収入を確保しておきたいところです。まだ親の年齢も若いので、障害者扶養共済や生命保険信託は検討に値すると思います。

新しい情報を得るために、また、ちょっとした不安や困りごとについて相談できるように、同じ悩みを持った家族の会などに加入することもオススメです。息子さんの場合だと発達障害の会になると思いますが、最近はこの分野の法制度や行政サービスが進んできているので、家族会に入っていることで情報が手に入りやすくなります。

 

執筆者プロフィール

渡部伸

1961年生、福島県会津若松市出身
「親なきあと」相談室主宰
東京都行政書士会世田谷支部所属
2級ファイナンシャルプランニング技能士
世田谷区区民成年後見人養成研修終了
世田谷区手をつなぐ親の会会長

著書
障害のある子の家族が知っておきたい「親なきあと」
障害のある子が「親なきあと」にお金で困らない本
(ともに主婦の友社刊)

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