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【体験談】発達障害・知的障害のある子が「性的な言葉」を連呼。どう向き合う?

2026.03.26 [lmt-post-modified-info]

最近、耳を疑うような出来事がありました。知的障害を伴う自閉症のある息子が、ニコニコしながら茶の間でこう言っていたのです。

「セックス、セックス、うふふふふ♪」

まるでサザエさんのエンディングのような調子で。

楽しそうに繰り返すその横で、一緒にいた家族の間には、なんとも気まずい空気が流れました。

家庭内ならまだしも、わが子が外で卑猥な言葉を大声で言ったり、異性に性的な言葉をかけたりしていたら。想像するだけでヒヤヒヤしてしまいますよね。今回は「恥ずかしさを理解しにくい」「相手の気持ちを考えることが苦手」といった特性のある子たちの性的な「不適切発言」をテーマにしてみたいと思います。

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性的な言葉が出るのはどんなとき?

不適切な言葉は、テレビやネット、学校などで覚えてくるのだと思います。
周囲をギョッとさせる特定の言葉を繰り返し発する行動は、以下のようなパターンが考えられます。

注目を浴びたい

意味は分からないけれど音として面白くて言う場合と、言ってはいけないと分かるからこそ言う場合があり、どちらも周囲が驚いたり笑ったりする反応を楽しんでいます。
周りから注目を浴びたり、大人があわてて寄ってきたりするため、「関心を引くことができる」「かまってもらえる」と学習してしまっています。

好意から相手をからかってしまう

「○○ちゃん、おっぱい大きい」「パンツ見せて」などのように、意味を分かっていながら相手をからかうケースです。
思春期の入口に来て、相手を異性として意識し始めています。
好意の現れとも取れますが、相手が困るのを見て喜んだり、優位に立ちたいというゆがんだ気持ちが見えたりすることもあります。

チック症(汚言症)によるもの

汚言症とはトゥレット症候群の音声チックのひとつで、不随意な脳からの指令です。性的な言葉や不適切な言葉が、本人の意思とは関係なく、まるでしゃっくりのように、勝手に出てしまいます。言ってはいけないときほど止められなくなることがあります。

このようなとき、どう接していけばいいか、息子の発言への対応も含め考えてみました。

どう向き合う?:注目がごほうびにならないようにする

注目されたくて性的な言葉を言う子にとっては、周囲のいつもと違う反応が「ごほうび」になってしまいます。「かまってもらえる」という誤学習をさせないようにするため、望ましくない行動はできるだけスルーすることをおすすめします。

無邪気に楽しそうに言っていると、不適切発言でもつられて笑いたくなってしまいますが、NG発言中はできるだけ笑わない、怒らない、目も合わせない。でも子供の存在は受け入れている。そんな柔らかくも毅然とした態度でいてみてください。

息子の冒頭の発言は「注目を浴びたい」というのとは少し違って、言ってはいけないことを言っている自分をおもしろがっているように見えました。それでも、私は反応しないでおこうと思い、そっぽを向いてテレビを見ていました。家族もみな「なにっ⁉」と思ったはずですが、無反応(固まっていただけかもしれません)。

その効果かは分かりませんが、息子が翌日以降にこの発言をすることはありませんでした。

どう向き合う?:代弁で承認欲求を満たす

みんなの視線を集めたい、自分の言葉に反応してほしい、という気持ちが見えたら、その気持ちを代弁してあげるのはどうでしょう。

「さっき、ちんちんって言ってたけど、注目してほしかったんだね」
「それなら『ママこっち見て』って言えばいいんだよ」

気持ちを分かってもらえたことで、承認欲求が満たされます。代わりの望ましい言葉使いや伝え方を教えて、言えたときはほめることで強化もできます。

どう向き合う?:異性との適切な関わりを教える

性的な言葉で異性をからかう行為は、悪気のない発言だったとしても、セクハラなどと受け取られ、加害者にもなりかねないので気をつけたいですね。相手の体は相手のものだから、勝手に触れたり話題にしたりしないこと、という「プライベートゾーン」や「マナー」などの基本的な性教育で、ルール付けをすることが必要だと感じます。その上で、異性へは具体的にどう声かけをしていくのがいいかを教えていくとよいのではないでしょうか。

例えば
・あいさつ
・持ち物をほめる
・行動をほめる
・好きなものを聞く
などがおすすめです。

「何をすればいいか」を教える一方で、もし息子に何かやめてほしいことがあれば、私はよく「それは恥ずかしいよ」という伝え方をします。「その行動は赤ちゃんみたいで恥ずかしい」「人が嫌がることを言うのはかっこ悪い」などです。

相手が感じる恥ずかしさは捉えにくくても、自分に直結する言い回しなら、ブレーキにつながりやすいのではないでしょうか。

どう向き合う?:チックはわざとではないと理解する

息子も、汚言が出るほどではなかったにせよ、チックで悩んだ時期がありました。いけないと分かっていても自分で止められないのですから、とてもしんどいものです。

「わざとじゃないこと分かってるよ」「つらいよね」と理解を示し、気持ちを楽にしてあげてください。

「やめなさい」と止められるほど、脳が興奮してひどくなるので、学校や施設、親戚など、本人が行く場所でも「脳の特性から起きているのであって、叱るのは逆効果」であることの説明が必要です。

性的な言葉を言われた側の子やその保護者にも、声を掛けておきたいですね。

・自分の意思と関係なく出てしまう
・仲良くしたいのに何を言えばいいか分からず言ってしまった
・適切な声かけの練習中

などと伝えて、理解を仰ぎます。これは本人が孤立することを防ぐためにも有効です。

子供の気持ちに目を向けて

息子は冒頭の発言のほかに、「うんこ! うんこ!」と言って子供のようにひとりでケタケタ笑うのが日常です。

試しに私が、あえて外でふざけて行進しながら、息子の前で「う・ん・こ! う・ん・こ!」と足踏みに合わせて言ってみると、息子は慌てた表情で「シーッ! 恥ずかしいのでやめてください!」と、本気でたしなめてきます(笑)。
恥ずかしいことだという、自覚はあるようです。

不適切な言葉も、時と場合を考えて使い分けができるのであれば、あまり目くじらを立てなくてもいいかもしれません。

性的な発言はいますぐ止めたくなりますが、言葉はあくまで「表面」の問題です。その奥にある「ボクを見て」「この子と関わりたい」という本心に目を向けて、適切に表現できるよう導いていきたいですね。

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*身体障害のみまたは精神障害のみの場合は現在就労されていることがご加入の条件です。
また、精神疾患は保障の対象外です。

執筆者プロフィール

細川 有美子 (ほそかわ ゆみこ)

1968年生まれ、福島県在住。
バックパッカーとして海外旅行中に出会ったエジプト人と2000年に結婚。現地で子供2人を出産する。2003年子供と帰国したのち、息子の発達障害が判明。夫とは2005年に離婚。
これまでに自閉症(中等度発達遅滞)・ADHD・精神障害・難病(クローン病)の診断を受けた息子の子育てと現在を、Instagramで発信。
2014年より取材・執筆活動を開始し、現在は事業所でのパート勤務、再婚の夫とふたりで米づくりにも奮闘している。
◇たきちゃん農場 https://www.takirice.com/
◇Instagram https://www.instagram.com/yumiko_days

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