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赤ちゃんはどこからくるの?知的障害や発達障害のある子への性教育を考える

息子に障害があると分かったとき、心配事のひとつに性の問題がありました。将来女の子を追いかけ回したりしないか?手を出して捕まったりしないか?――同じようなことを思ったことのあるママもいらっしゃるのではないでしょうか。

シングルマザーだった私は、父親不在の中、いつか自分が性教育をしなければならないのだろうという心づもりで、あらゆる情報に触れてきました。

「性教育」と一口に言っても、障害の度合いや特性、成長段階によって対応は変わり、奥の深いものです。「母親が」「家庭で」「男の子に」何ができるのかという視点を取り入れながら、性にまつわる話題を連載にしてみたいと思います。

1回目の今回は、命の仕組みをどう伝えるか。女の子の親御さんも参考にしてみてください。

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赤ちゃんはどこからくるの?

現在23歳の息子が小学生になったころから、私は「いつこの質問をされるだろう」と考えていました。実際には聞かれることはなく、息子が6年生のときに私から声をかけ「性行為→妊娠→出産」の流れを、本を使って教えました。

イラスト入りのページをドキドキしながら一緒にめくって読みましたが、どうやら息子は、赤ちゃんがどこから来るかすでに知っていたようです。特別支援学級に通っていたので、通常学級の男の子の会話などから、なんとなく耳に入っていたのでしょう。

「赤ちゃんはどこからくるの?」と実際に子どもに質問されたら、一瞬ギクッとすると思いますが、ここは母の器の見せどころ! 平常心を保ってください。まずは「すごくいい質問だね」「大切な質問だね」と、質問したことを認めて「聞くことはいいこと」と思わせてあげてください。

「どうして疑問に思ったの?」と聞いてみるのもいいですね。鳥が運んでくると聞いて、自分は鳥から生まれたのかと心配している子もいるかもしれません。子どもが求めていることに対して、適切に答えていくことが大切です。

進め方のコツは
・段階的に教える
・ルールとセットで教える
の2点です。ひとつずつ見ていきましょう。

段階的に教える

「赤ちゃんはどこからくるの?」は、健常児なら質問してくる年齢は4歳くらいといわれています。ゆっくりな子なら、年齢的にはもっと上がってから聞いてくるかもしれません。まだ男女の違いもよく分からない段階なので、「お母さんのお腹の中で育つんだよ」と伝えるだけで十分です。

「お腹からどうやって出てくるの?」と質問が具体的になったら、「お母さんの体には、赤ちゃんが通るための道があって、そこを通って出てくるの」「女の人の体にあるその道はとっても大切だから、人に見せたり、触らせたりしないようにする場所なんだ」こんな伝え方なら、男の子にも女性の体は神聖なものという感覚を持ってもらえるかもしれません。

ここまでの話で終わらず「どうやってお腹に入ったの?」と知りたがることもあるでしょう。ここからは、物事の理解度や、特性に合わせた対応が必要になります。

「神様がお母さんのところに送り届けてくれるんだよ」こんなふうに話した場合、勘のいい子は「そういうことじゃなくて」とか「何か隠してる」などと感じるものです。これで納得できない段階に来ているお子さんの場合、踏み込んだ説明に進んでもいいかもしれません。

命の仕組み、どう伝える?

教え方としては、やはり視覚的に伝わりやすいイラスト入りの本や、絵本に頼るのがおすすめです。私も本を使いましたが、今はさらにたくさんの良い本が出ていますので、お子さんに合わせて選んでみてください。

子どもから急に質問してきて、こちらの物理的・心理的準備がまだのときは「いい質問だね。ちゃんとお話しするために、準備したいから日曜日まで待っててね」などとワンクッション置いて、その間にいろいろと整えましょう。

わが家のように、子どもから特に質問はしてこないけどそろそろ教えたいという場合、タイミングの見極めは以下の点を指標にしてみてください。

・男女の違いに気づいて関心を持ち始めているか
・視覚的な情報から物事を認識できる段階か
・学校で性教育が始まったか
・同性のお友達との会話に関連ワードが出てくるか

健常児であれば「自然と覚えるだろう」と考える親御さんも多いかもしれません。でも知的障害や発達障害のある子、特に健常児と過ごす時間のある子の場合、お友達から性に関する話を聞く可能性もあるし、ネットから情報を得ることもあるでしょう。

できれば誤った情報をうのみにしてしまう前に、親が介入して適切に教えていきたいものです。

教えても大丈夫? ルールとセットで伝える

いつか教えなければと思っていても、教えることで起きる困りごとへの不安もありますよね。その子の特性によっては、聞いた情報をどう扱えばいいか分からず混乱することもあるので、ルールも同時に伝えることが大切です。

私は性について話すことで、こんな問題が起きることを懸念していました。

・聞いたことを、場をわきまえず大声で話す
・急に興味をつのらせて、異性を追うようになる

これに対して、

・命の仕組みの話は、「家族とだけ」「家でだけ」話すこと。
・赤ちゃんを産むのは結婚した人。異性に勝手に触ったり、追いかけたりしないこと。

というルールを伝えました。

幸い、息子は外でしないほうがいい行為を判別できたので問題にはなりませんでしたが、子どもによっては「恥ずかしい」の意味や相手の気持ちが分からず、人前で話したり、異性に触れるなどの行動に出る可能性もあります。

日ごろから「ルールで興味をコントロールできるか」を観察しておきましょう。難しければ、急がなくていいと思います。視覚からの情報が有効な場合は、ルールを見える形で伝えるのもいいですね。

真意は「ぼくはどこからきたの?」

シングルマザーの中には、つらい経験をされ、夫だった人への負の感情を抱えておられる方もいらっしゃるでしょう。私もそのひとりです。でも命の始まりについて話すとき、「シングルマザーでパパがいない環境」と「あなたは二人の愛のもとに生まれてきた」という話に矛盾を感じないようにはしてあげたいと思っています。

「訳あってママとパパは今一緒にいないけど、結婚したときはお互い大好きで、パパもあなたを愛している」ということを、折に触れ伝えてきました。

「赤ちゃんはどこからくるの?」の真意は「ぼくはどこからきたの?」に違いありません。そこに愛があり、自分は愛されているという気持ちが自身の中に浸透していれば、「いかがわしいもの」といったマイナスのイメージでなく、満たされた気持ちで性を受け入れることにつながると感じます。

性について、語れる親子になる

性教育は、一度伝えたら終わり、ではありません。成長の過程でそのときどきのテーマで話し合っていくものです。父親がいなくても、男の子と性の話しができる関係性を築いていくために、こんなことを意識してみてはいかがでしょうか。

-「口にすること」に慣れる

性の話題は、はじめは親も身構えてしまいがちです。私も「普通でいよう」と意識し過ぎて声のトーンが変わってしまうこともあります。でも大丈夫。いくつか関連動画を見て、講師が「専門用語」として語る場面に触れたり、また自分でも言ってみたりするうち、慣れてくるものです。

-体の洗い方から教える

小さいうちに、体の洗い方を教えながら、清潔に保つことや性器の扱いなどを教えていくと、話題にしやすくなると思います。

-責めない、否定しない

子どもの質問に対して「またそんなこと言って!」とはぐらかしたり、「へんなこと聞かないで」と否定したりすると、子どもは話題にしなくなってしまいます。「局部がかゆい」などデリケートな悩みも安心して相談してもらえるように、「話してくれてありがとう」と伝えるようにしましょう。

最後に、性教育の参考になるウェブサイトを紹介します。
これらのサイトを見ていると、性は自己理解、あり方、生きる喜び、他者や社会との関わり……といった人生のさまざまな場面に関連していると分かります。
私たち親も、広い視野を持って性の話題を捉えられるようになっていきたいものですね。

・国際セクシュアリティ教育ガイダンス(https://sexology.life/world/itgse/
ユネスコなどの国際機関が性教育の世界的な標準として提唱しています。

・ピルコン(https://pilcon.org/
NPO法人ピルコンによる、人権と科学に基づいた性教育を伝えるサイト。保護者向けのページもあります。

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*身体障害のみまたは精神障害のみの場合は現在就労されていることがご加入の条件です。
また、精神疾患は保障の対象外です。

執筆者プロフィール

細川 有美子(ほそかわ ゆみこ)

1968年生まれ、福島県在住。
バックパッカーとして海外旅行中に出会ったエジプト人と2000年に結婚。現地で子供2人を出産する。2003年子供と帰国したのち、息子の発達障害が判明。夫とは2005年に離婚。
これまでに自閉症(中等度発達遅滞)・ADHD・精神障害・難病(クローン病)の診断を受けた息子の子育てと現在を、Instagramで発信。
2014年より取材・執筆活動を開始し、現在は事業所でのパート勤務、再婚の夫とふたりで米づくりにも奮闘している。
◇たきちゃん農場 https://www.takirice.com/
◇Instagram https://www.instagram.com/yumiko_days

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