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2026年4月から変わる、発達障害に関係する年金・手当

発達障害専門のFPとして、日々ライフプラン相談をお受けする中で、最も注視していることの1つが制度の改定です。特に、毎年1月中旬に公表される次年度の年金や手当が変更される情報は、それらを受け取るご家庭にとって非常に大切な情報です。

今回は、目前に迫った令和8年度の改定内容を中心に解説します。

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*身体障害のみまたは精神障害のみの場合は現在就労されていることがご加入の条件です。
また、精神疾患は保障の対象外です。

2026年4月から変わる支給額の詳細

今回の改定では、障害年金をはじめとする各種給付金の金額が引き上げられます。例えば以下の通りです。

  • 障害基礎年金2級:月額70,608円(現行より1,300円、1.9%のアップ)
  • 障害年金生活者支援給付金:月額5,620円(現行より170円のアップ)
  • 特別児童扶養手当(2級):月額38,930円(現行より1,100円のアップ)
  • 児童扶養手当(第一子):月額48,050円(現行より1,360円のアップ)
  • 障害児福祉手当:月額16,560円(現行より460円のアップ)

【参考】厚生労働省プレスリリース:令和8年度の年金額改定についてお知らせします

厚生労働省のプレスリリースには障害基礎年金2級の金額は記載はありませんが、障害基礎年金2級は老齢基礎年金の満額と同額です。また、障害基礎年金1級や特別児童扶養手当1級の金額は、2級の金額を目安として1.25倍したものになります。

このような金額改定は今年に限ったことではなく、毎年行われています。金額が上がるならいいことのように思えますが、問題点がいくつかあります。次の章で解説しますね。

物価上昇分に対して小さい年金や手当の上昇分

今回の改定では全体的に金額が増えています。ただ、増えたからと言って手放しで喜べません。なぜなら、物価上昇(インフレ)分に対して年金や手当の上昇分が小さいからです。

具体的には、現在の物価は前年より3.2%上昇しているとされていますが、対する障害年金の引き上げ幅は1.9%にとどまっています。

つまり受け取れる金額の額面は増えていますが、そのお金の価値は目減りしているため、生活の実感としては苦しくなっていると感じる家庭も少なくないはずです。

これは物価や賃金が上がっても、年金(手当)のアップ額をあえて低く抑える「マクロ経済スライド」という仕組みが影響しています。日本では年金を将来まで確保するために、物価上昇率や賃金上昇率よりも年金の上昇率を下げて、財源を確保する形を取っています。

年金が将来にわたり持続可能かを点検する「財政検証」が5年ごとに行われ、そのたびにマクロ経済スライドによる調整期間(いつまで年金を抑制し続けるか)は見直されていますが、少なくともここ数年は調整が続く見込みで、物価が上がっても手当や年金の伸びが追いつかない状況が続くと考えられます。

手当における所得制限の課題

手当受給には所得制限の問題が切っても切り離せませんが、制度によって「緩和」と「据え置き」の明暗が分かれました。

まず、「20歳前傷病の障害基礎年金」については、近年の物価上昇に合わせて令和7年10月分から所得制限額が引き上げ(緩和)されています。また、ひとり親向けの「児童扶養手当」も、令和6年11月分から制限額が大幅に引き上げられました。

一方で、発達障害のお子さんを持つご家庭に影響が大きい「特別児童扶養手当」や「障害児福祉手当」の所得制限は、今回も据え置かれたままです。

これだけ物価や賃金が上昇しているにも関わらず、所得制限の金額が長年据え置きだと、ここ最近の賃金上昇によって年収がわずかに上がった結果、所得制限に引っかかってしまい、手当が一切受け取れない、というケースの増加が予想できます(例えば「特別児童扶養手当」は、1円でも所得制限額を超えると年間の手取りが約45万円も変わってしまいます!家計にとって大問題です)。

本来は物価上昇に合わせて所得制限の金額を上げることが必要ですし、個人的には所得制限自体を撤廃してもいいと考えています。

作成:ぜんち共済

まとめ

2026年4月からの制度改定により、発達障害に関係する年金・手当は、金額面においては増額となりますが、手放しでは喜べません。物価上昇率よりも年金や手当上昇率が低いこと、所得制限の据え置きで、実質は厳しくなっています。

障害児福祉や年金制度は、家族の生活を支える基盤です。制度の不備と思われる点に関しては、署名活動への協力や選挙での投票活動、議員さんへの働きかけなどを通して、声を上げ続けつつ、まずは目の前の改定内容を正しく理解し、賢い家計管理で家族の生活を守っていきましょう。

執筆者プロフィール

岩切健一郎(いわきり けんいちろう)

発達障害専門FP。ファイナンシャルプランニング技能士1級。
1986年生まれ、宮崎県宮崎市出身。
自身もADHDがあり、お金に苦労した経験から発達障害専門FPとして活動。
親亡きあとのマネープラン、発達障害当事者のライフプランを
年間100件以上作成。
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