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自信がない子どもの原因と対処法

「ぼくにはできない……」「わたしはバカなんだ……」自分の子どもがこんな言葉を発していたら、すごくショックですよね。

「そんなことないよ!」「〇〇だってできるようになったじゃない!」親として、なんとか自信をつけてあげたいという思いから、このような言葉かけが多くなるはずです。でも、いつまでたってもぐずぐずしている気持ちの切り替えができない子どもをみると、もどかしくなってしまいます。

周りの大人が良かれと思ってかけている言葉かけがマイナスに響いていることも……。原因と対処法を一緒に考えてみましょう。

どうしてうちの子はこんなに自信がないんだろう?

はじめに、「自信がない原因」を考えてみましょう。お子さんによって原因は、ひとりひとり違います。でも、発達障害やグレーゾーンのお子さんの場合、以下の3つが関わっていることが多いと感じています。

  1. 失敗したくない、間違えたくない
  2. いつも叱られたり、怒られたりしている
  3. やり方がわからない

ひとつずつ、見ていきましょう。

自信がない原因1.失敗したくない、間違えたくない

発達障害やグレーゾーンのお子さんには、感情のコントロールがスムーズにできないお子さんがとても多いです。感情のコントロールがうまくできないと、失敗した時や間違えた時に怒ったり、癇癪を起こしたりして嫌な感情をバクハツさせてしまいます。そんな子どもの姿を見ると、周りは「なんでそんな些細なことで怒るの?」と困ってしまいますが、子ども本人も本当は癇癪なんて起こしたくありません。

失敗したくない、間違えたくない、感情をバクハツさせたくない……

このような気持ちから、きっとやればできるはずのことにもチャレンジできなくなってしまいます。

自信がない原因2.いつも叱られたり、怒られたりしている

できて当たり前と思えることも、特性が関係して難しくなってしまうのが、発達障害やグレーゾーンの子どもたち。

例えば、聴覚過敏があると、一斉指示を聞きとれなかったり、一部の単語だけを切り取って解釈したりして、指示とはまったく別のことをしてしまうことがあります。その言動が、怠けたり、ふざけたりしているように見えるので、周りからの注意や叱責が多くなってしまうのです。

でも、子どもは自分が正しいことをしているという認識があるので、どうして怒られるのかが理解できず、同じ言動や失敗を繰り返してしまいます。このような大人と子どものすれ違いが続くことが、子どもの無気力や自己肯定感の低下につながります。

自信がない原因3.やり方がわからない

とてもシンプルな原因ですが、つい見落としてしまいがちな原因です。発達障害やグレーゾーンの子どもは、

  • やり方
  • やる順番
  • はじめと終わり

この3つをしっかり理解していることがとても重要です。この3つは「見通し」、そして安心感につながります。

特に、言葉だけの指示や長い説明では、子どもは理解できません。お手本を見せる、視覚的な指示を取り入れるなど、子どもの苦手に合わせた指示をだすことで、スムーズに取り組むことができるようになります。

逆に、この3つの見通しがないと、何を、どんな風に、どんな順番で、どこまでやっていいのか分からない不安からパニックを引き起こしてしまいます。

自信がないお子さんは、不安なお子さんです。だからまずは3つの見通しをしっかり提示して、安心感の土台を作ってあげることが大切なのです。

自信がない子どもへの言葉かけ

ここからは、自信がない子どもへの言葉かけを考えてみましょう。

「ぼくにはできない……」「わたしはバカなんだ……」

お子さんからこんな言葉が出た時、どんな風に答えていますか?

「そんなことないよ!」「〇〇だってできるようになったじゃない!」

マイナスな気持ちをプラスに変換しようとしたり、できるようになったことを伝えて励ましたりすることがあると思います。

でも、いつも前向きな言葉かけをしているのに、子どもは日に日にぐずぐずが増していく……。そんな時は、周りの励ましや前向きの言葉かけが、お子さんにとってマイナスに響いているのかもしれません。

例えば、「そんなことないよ!」という言葉かけを考えてみましょう。子どもだけでなく、誰かを励ますためにもよく使う言葉ですよね。信頼できる人に心から言われたら、フッと気持ちが軽くなる方もいらっしゃるはずです。

でも、「ぼくには(逆上がりが)できない」と不安に思っている子どもは、「そんなことないよ!」と言われることで、「自分の不安」を「受け止めてもらえなかった」「否定された」と捉えている可能性があります。わたしたち大人でも、「不安な気持ちを吐き出したかっただけ」という時、ありませんか?「不安な気持ち」を吐き出したいだけなのに、励ましやアドバイスが返ってくると、「そうじゃないんだけどな……」と思っちゃいますよね。

もちろん、励ますことで元気になれる子どもはいます。でも、励ましが響かないお子さんも、実はとても多いんです。そんな時は、ぜひ、

「そっか、できないって思っているんだね」「どうしてそう思うのかな?」

こんな風に、お子さんの気持ちを受け止めてみてください。子どもの自信は、すぐにプラスにはなりません。まずは、不安な気持ちを十分に受け止めてもらえる安心感を味わうことで、少しずつ前を向けるようになるはずです。ぜひ、試してみてくださいね。

執筆者プロフィール

浜田悦子(はまだ えつこ)

発達障害・グレーゾーン専門
子どもとママのための家庭療育アドバイザー

繰り返す問題行動に怒られてばかりの子どもと 孤独な子育てに苦しんでいるママに寄り添い、 子どもの自己肯定感とママの子育ての自信を取り戻し 笑顔に導く家庭療育アドバイザー。
自身の子どもが発達障害と診断されたことをきっかけに、発達支援センターの指導員へ。以来、約2,000人以上の親子に関わる。
大学、発達支援センター、放課後等デイサービスでの講演・研修多数。

【著書】
『発達障害&グレーゾーンの子どもを「急かさず」「怒らず」成長を引き出す言葉かけ 』浜田悦子 (著), 汐見稔幸 (監修) 実務教育出版

【執筆・監修】
ユーキャン 子ども発達障がい支援アドバイザー講座
ユーキャン 思春期発達障がい支援アドバイザー講座

【メディア掲載】
毎日新聞、中日新聞、朝日新聞、ひよこクラブ、朝日新聞 WEEKLY AERAなど

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