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発達障害かと思ったら違った!発達障害と間違いやすい症状や原因は?

2023.05.24

発達障害の認知度が上がり、自分は発達障害なのではないかと検査を受ける人が増加傾向にあります。また、ネットで検索しても「発達障害チェックシート」などがたくさんヒットします。

大人の発達障害は日常生活に支障をきたすだけでなく、発達障害についての情報が世間にあふれるだけに、「仕事ができないから発達障害だ」などと言って「発達障害」のレッテルを安易に貼ってしまうところがあります 。しかし、私が今まで専門医や就労移行支援の方を取材してきたなかで感じるのは、仕事ができない =発達障害とは限らないんだなということ です。その不調に実は 、発達障害ではなく別の原因が眠っていることもあるのです。

別の原因その1:度重なる睡眠不足 

三大欲求の一つである睡眠。発達障害と睡眠は深いかかわりがあるとも言われていて、ロングスリーパーの発達障害当事者も多くいます。しかし、じゅうぶんな睡眠が必要なのは発達障害当事者に限ったことではありません。読者の方の中には「睡眠負債」という言葉を聞いたことのある人もいるのではないでしょうか? 

睡眠負債とは、慢性的な睡眠不足のことです。睡眠不足が続くと、心身に不調が現れたり、日中にミスが多くなったりしてしまいます。また、6時間睡眠が14日間続くと24時間徹夜したのと同じくらいの状況になり、脳のパフォーマンスが著しく下がってしまうとも言われています。

仕事のミスが多いから発達障害だと思っていたら、単に睡眠不足が原因だった 、ということもあり得るのです。

別の原因その2:他の病気や障害 

発達障害の特性として、ケアレスミスが多かったり物事の優先順位をつけられなかったりすることが多いということが挙げられます。しかし、これだけでは発達障害だと断定できません。

例えばうつ病になると 脳の認知機能が下がり、パフォーマンスが落ちたり判断能力が鈍ったりします。また、うつ状態と躁状態を繰り返す双極性障害も、うつ状態のときは体や脳が動かなくなることがあります。発達障害の二次障害としてこれらの病気や障害が現れることもありますが、発達障害の特性によく似ているため、間違われることもあるそうです。

発達障害をすぐに疑うのではなく専門医へ相談

日常生活や仕事 の不調でストレスを感じて「もしかしたら発達障害かもしれない」と疑っている方、実は上記のような別の原因があるかもしれません。自己判断で発達障害と決めつけるのではなく、まずは専門医を受診することをオススメします。

ではどの科に行けばいいの? と思うかもしれませんが、日中の眠気や体の不調がある場合は心療内科がいいと思います。心療内科と精神科の違いですが、心療内科は「内科」と名称に入っている通り、心の状態が体に現れている場合に対応してくれます。

私の場合、ストレスで眠れなくなって食欲も落ちてしまったので、心療内科を受診しました。心療内科ではストレスが原因で胃痛が起こっている場合、胃薬やストレスを鎮める漢方薬を処方してくれる場合があります。

 未受診のまま安易に発達障害 と決めつけるのではなく、まずは他の原因も探ってみると、より適切な対処ができるのではないでしょうか。

執筆者プロフィール

姫野桂

フリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。
日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。趣味はサウナと読書、飲酒。

著書
『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)
『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)
『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)

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