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発達障害かも?と思ったとき、診断前にやるべきこと

2023.02.01

最近、いろんなメディアで発達障害について取り上げられています。そこで、もしかしたら自分も発達障害かも? と思う人も増えているのではないでしょうか? しかし、ここで慌てて精神科や心療内科に駆け込む前にやっておいたほうがいいことがあります。

では、もしかしたら自分は発達障害かも? と思ったときにまず何をすべきか私の経験も交えながらご紹介いたします。

 

■生命保険の見直しを行う

保険の中には発達障害だと入れない保険もあります。私の場合、もともと20年前に入っていた保険は診断が降りる前でまだ発達障害という言葉も浸透していない時代でした。先日、その保険の別の商品に入ろうとしたところ、発達障害だと入れない可能性もあると知り、担当の方に確認しました。結果、発達障害自体は大丈夫だったのですが、発達障害の二次障害 である双極性障害の薬で引っかかってしまい、加入できませんでした。

生命保険について、発達障害やその二次障害の診断を 受けると入れる商品の幅が狭まってくる可能性があるので事前に確認しておきましょう。

■発達障害の知識を身に付ける

今は書店に行くと発達障害に関する本がたくさん並んでいます。ネット上の情報には あまり信憑性のないものもありますので、専門医や心理職の人が書いた本をいろいろと読んでしっかりと知識を身に付け、自分はどのようなタイプの発達障害なのか(発達障害はグラデーション状の障害なので十人十色です)自己理解を深めておく必要があります。自分が得意なことと苦手なことがわかっていれば、仕事や日常生活での生きづらさを減らすことができます。

ちなみにオススメの書籍は岩波明先生の『発達障害』(文春新書)、杉山登志郎先生の『発達障害のいま』(講談社現代新書)、NHKスペシャル取材班による『発達障害を生きる』(集英社) 、そして私が書いた『発達障害かも?という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)です。

 

■大学生の方は受講科目をチェック

大学生の方の中には、朝起きられなくてどうしても午前中の講義に出られない、どうしても講義に集中できないといった悩みを抱えている方もいるでしょう。しかし、大学の単位取得は留年や卒業に関わってきます。

講義によっては出席をあまり重視せずテストやレポートを重視する科目や、テストやレポートよりも出席を重視する科目があります。自分が受講している科目はどうなのか、今一度チェックしてみましょう。

ちなみに私は大学時代、1限目の講義が眠くて仕方なかったのですが、テストで挽回できる科目だったので、最終的 にはテストを頑張ってなんとか単位を取得できました。また、必修で自分の興味のない科目もとらなければならなかったのですが、自分の興味のないことなので全く頭に入ってきません。しかし、その講義は出席重視だったので出席だけして、講義中は別の科目の課題をやっていたこともあります。

本来ならきっちり講義を聞くべきなのですが、自分の特性上どうしてもできないことは、このようにして乗り切っていきましょう。

■サードプレイスを作っておく

読者の方の中には家と職場や学校との往復で、サードプレイス(家庭や仕事・学校以外の第3の居場所)がない方もいるかもしれません。しかし、発達障害の特性で悩んでいるとき、サードプレイスがあるとだいぶ心に余裕ができます。

代表的なものは発達障害の当事者会・自助会です。悩んでいるのは自分だけではないのだと思えます。当事者会や自助会じゃなくても、アイドルや舞台、バンドなどの“推し活”をしている人は、推し 活仲間との集まりもサードプレイスと言えるでしょう。

何か趣味を作ってその仲間と集まるのもいいと思います。とにかく第3の居場所を作っておくと、嫌なことを忘れられたり、新しい気付きがあったりします。

 

上記は私の経験上のことです。今、発達障害を診てくれるクリニックは混んでいてなかなか予約が取れない場合もあるため急ぎたい気持ちもわかりますが、まずは上記のことをやってから、クリニックにかかるかどうか考えてみても遅くはないかもしれません。

ただ一点、二次障害でうつ状態や適応障害などの症状が出ている場合はすぐにクリニックを受診してください。

私の経験が参考になれば幸いです。

執筆者プロフィール

姫野桂

フリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。
日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。趣味はサウナと読書、飲酒。

著書
『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)
『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)
『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)

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