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ADHDうっかり女子の働く日々・背筋も凍るうっかり特性3選

その1 恐怖!落とし物・無くし物多発

コラムをご覧のみなさんこんにちは。うっかり女子・脳内多動な雨野千晴40歳です。おいおい、女子って図々しくないかいという自分の心の声と葛藤しながらこんな肩書でブログやコラムを書いています。37歳でADHD不注意優勢型と診断されました。

 

ちなみにこの原稿も締め切り過ぎて出しました。ごめんなさい。

そんな感じの私は、職場でもうっかりミスがデフォルトです。近々であったうっかりミスはこちら

職場近くの行きつけのレストランでよかった。同僚にお金借りて急いで支払いに行きました…おっと、うっかり返すのを忘れないようにせねば…。

さて、私はシングルマザーで、多動な行動力を生かして(?)複業でいろいろな仕事をしています。うっかりさんって子どものころは、親や先生がなんとかしてくれたり、親切な子がお世話係をかって出てくれたりして、日常ではあまり困らなかったという人も多いかもしれません。しかし!社会に出ると、笑ってすまされない…同僚が凍り付く…といった場面に遭遇することになります。

そこで、この連載ではミス多発人生のうっかり女子雨野千晴調べによる、仕事でミスにつながりやすいうっかり女子・3つの特性について、私なりの対応策も併せてご紹介したいと思います!

今回は1つ目「うっかり女子は落とし物・無くしものが多い」についてです。

大事なものが無い!と冷や汗をかく経験というのは、誰しも多かれ少なかれあるのではないでしょうか?

私はこれまで財布、通帳、家の鍵などありとあらゆる貴重品たちを紛失しています。それも1度や2度ではありません。

自分のものをなくすのであれば、迷惑を被るのは自分自身ですが、仕事だとそうはいきませんよね。私はこれまで複数の仕事を経験して、一番キャリアが長かったのは小学校の教員です。教員は子どもの個人情報を扱いますので、なくしちゃいけないものだらけです。そのほか、授業の教材なども子どもの人数分管理しなければならないものもたくさんあります。落とし物・無くし物人間な私にとっては、恐怖でしかありませんでした。重要な書類を無くして管理職と一緒に保護者へ謝りにいったこともあります…。またある時には、こんなことも。

先生にとっては30人のうちの一人でも、そのお子さんにとっては大切な賞状です。ヤバい!!と冷や汗もので職員室に飛び込み、速攻で作り直しました。

落とし物、無くし物…もちろんないほうがいいですよね。でも、どんなに悩んでも悔やんでも自分のうっかりな性質が治るわけではありません。ではどうすればいいのでしょう?

近年は発達障害への理解・関心が広がり、落とし物・無くし物をしないように、いろいろな人がライフハックを発信していますが、そんな中で私がうっかりなまま人生を楽しんでいくために最強だと思っているライフハックがあります。それは、「自分がうっかりな人」ということを周囲に知ってもらうことです。

え、そんなことしたら信頼失わない?仕事上で支障がない?と思った方もいるかもしれませんね。もちろん、そういうこともあるかもしれません。そういう人とは仕事をしたくない、仕事を頼まない、という人もいるでしょう。それでも!自分の性質を周りの人たちに知っていてもらうことはとても重要だと私は思います。

今、私は様々な仕事を平行して行っていますが、一貫しているのは、お仕事を始める時点で、自分のできることだけでなく、苦手・できないことを相手にお伝えしていることです。

 

そうすると、待ち合わせ前に逆に相手からリマインドが来ることも…それでも私に仕事を頼みたい、という方のみとお仕事をするようになりました。

それはフリーの仕事だからできることでしょ?と思う人もいるかもしれませんが、この「うっかりカミングアウト」を一番初めにしたのは教員時代です。

教員になってから、うっかりしているミス多発の自分はダメな人間なんだ、と自分で自分を責めていました。人と比べて落ち込んだり、いじけたりしていたのですが、あるときからそれをやめて「うっかりな自分について相談して工夫していこう」と考え方を変えました。

育休明けのタイミングで、自分にはADHD傾向があり、忘れ物や落とし物が多く、迷惑をかけてしまうことがあるかもしれないと全職員にお伝えしたのです。さらに、受け持ちの子どもたちにも同じように話しました。自閉症スペクトラムの長男との生活を通して、障害の有無や特性の偏りでその人の価値が決まるわけではないのだと思うようになったからです。どんな性質にも、ダメはない。それをどのように生かすか、工夫するかなんですよね。

「カミングアウト」というとなんだか大げさに聞こえますが、必ずしも障害の有無や障害名を報告する必要がある、という意味ではありません。自分の得意と苦手、それに対する工夫など、自分についてまずは自分で知ること。そして、そういう自分について、一緒に働く相手へ正直に共有することが、働くうえで大切なんじゃないかと思います。

自己開示をしたからと言って、落とし物・無くし物が多い自分の特性がなくなるわけではありません。でも、周囲の人たちが私の置き忘れたものを届けてくれたり、声をかけてくれたりするようになりました。自分自身でも大事なものをしまうときには、「私はここにしまいました!」などと周囲の人に報告するようになりました。大事なものほど普段と違うところにしまってしまい、どこにしまったか自体を忘れてしまうことが多いんです。それまでは、何かが「ない!」となったときは、焦ってこそこそと探し回っていたのですが、それからは「あれがない!」と騒いでいると「あの引き出しにしまうって言ってたよ」と教えてもらえるようになりました。

障害の有無にかかわらず、自分のどんな特性もまずは自分で認めて把握すること、それを周囲に共有することは、自分自身の生きやすさにつながっていくのではいかと思います。

執筆者プロフィール

雨野千晴

1981年札幌生まれ。神奈川県厚木市在住。ADHD不注意優勢型当事者。

長男が2歳で自閉症スペクトラムの診断を受ける。小学校教員として10年勤続後、2017年に退職、フリーランスに。現在はコラム執筆、講師、イラスト制作など多動に活動中。2児の母。NPO法人ハイテンションスタッフ・あつぎごちゃまぜフェス実行委員長。
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