発達に遅れがある子、小学校はどこに行けばよい?

©今井久恵

我が子に発達に凹凸や知的な遅れがある程度ある場合、「通常級に行って定型発達児から刺激を受けた方が伸びるのではないか」「特別支援教育を受けられる支援学級や支援学校に行った方が個別に対応してもらえるのでよいのではないか」と悩みます。

■小学校の種類

進級先は大きく分けて3つあります。

■親に決定権がある

毎年、秋に就学時健診があります。知的遅れがあり発達に課題があった場合、特別支援学級あるいは特別支援学校への進級が適切だと考えられ、就学相談に行くようアドバイスされます。

けれども親がこれを断固として拒否すれば、通常級への進級も可能です。つまり行政側のアドバイスを無視してもよいということ、ここに親が子どもの人生に関わる進級先を選ばなくてはならないのに、方向が違う判断をする隙間ができます。

■大切な6年間

小学校は幼稚園、保育園と違い義務教育、学力をつけるための勉強が始まります。また、友達関係も複雑化し、社会性やコミュニケーション能力も必要になります。

日中、一番長く時間を過ごす学校で叱られてばかりいたり、授業内容がチンカンプンだったり、友達から異質なものとして苛めに遭ったりしたら自信を失くし自己否定するようになるかもしれません。

それでも、教室から脱走したり、他の子に危害を加えたりする子の場合、「ここにはいたくない!」という本人のSOSを担任も親もキャッチできるので、通級に通うことや支援級への移動も検討されます。

けれども、じっと椅子に座ってるおとなしい子であれば、授業を妨害するなど周りに迷惑をかけないのである意味、担任にとっては扱いやすい子、お客様状態でほっておかれることもあります。

更にボーっとしていても、本来は本人にやらせなくてはならないことも、周りが助けてくれるので、着替え、授業準備、時計を見て自ら動くなど基本的なことが身につかないままになってしまうこともあるかもしれません。

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■知的に遅れがない場合

知的に遅れがある場合、特別支援学校や特別支援学級が準備されています。けれども残念ながら限りなくグレーに近い子どもに対して、発達障害児だけ集めた固定学級は現在の制度ではありません。そして、支援級や支援学校では学力をつける面でも心配なことが出てきてしまいます。

この場合は通級制度や特別支援教室を利用しましょう。これを利用している児童には通常級に在籍していても“個別の指導計画・個別の教育支援計画”が作られることになっているからです。

■何とか避けたい二次障害

二次障害とは先天的にもっていた障害について、適切な養育環境に置かれてしまったため起こる下記のようなことです。

特別な配慮をされることなく、学校で叱られてばかりいる。

楽しくない学校生活

不登校、鬱、引きこもり、リストカット(自傷)、他害などの二次障害として表れる。

この時になって悔やんでも過ぎ去った時間は巻き戻しできません。

子ども本人は正しい情報や意思を持って「僕には○○のクラスが合っているから、そこに通いたい」とは言えません。例え子どもが「○○小学校に行きたい」と言ったとしても、親のビーム(光線)により言わされているのかもしれません。

そうなると、保護者が子どもの将来にかかわる重大な選択をすることになります。ここで「子どものため」ではなく、「親の願い」を投影した就学先選択がなされることも少なくありません。

子どもの状態に合わないクラスに在籍し、担任に対して「うちの子がみんなについていけるように、きちんと対応してくれ!」と言っている保護者もいました。でも、内科を受診して「虫歯を治してください」と言っているのと同じことのように私は感じてしまいます。

それぞれの家庭の方針があると思いますが、置かれた環境次第で自信が付いたり、自己否定したりするのが人間です。ですから、“子どもの能力に一番適した成功体験や達成感が得られる教育環境”を与えてやることが大切なのではないでしょうか。

執筆者プロフィール

立石美津子(たていし みつこ)

20年間学習塾を経営、現在は著者・講演家として活動。『一人でできる子が育つテキトーかあさんのすすめ』『はずれ先生にあたったとき読む本』『子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方』など著書多数。『発達障害に生まれて(ノンフィクション)』のモデル

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