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発達障害傾向のある人は自己肯定感の低さに悩む人が多い? 悩みの乗り越え方

2020.12.24

こんにちは。主に発達障害の当事者の取材を行っている姫野桂と申します。

当事者を取材していると、発達障害の特性からくるさまざまな悩みを聞くことが多いです。中でも、自助会などで必ず出る話題が「自己肯定感が低い」というお悩み。自己肯定感が低いと何でも自分が悪いと思ってしまったり、常に自信がなくビクビクと日常を送ってしまったり、怪しいビジネスや新興宗教の勧誘に引っかかったりしてしまう危険性があります。自助会などで話し合われることが多いのが「どうやったら自己肯定感を上げることができるか」ということ。でも、ちょっと待ってください。そもそも自己肯定感というのは「ダメな自分も全てこれが自分だと受け入れること」です。この受け入れること(自己受容)を行わないまま無理やり自己肯定感を上げようとすると、余計苦しくなってしまったり、自己肯定感が上がっていないのに上がったと勘違いしてしまったりします。

では、具体的にどうすればいいのでしょうか。まずは、自分を客観視することが重要です。発達障害の特性のある人はこの客観視が苦手な傾向が高いので最初のうちは少し難しく感じるかもしれません。ですが、日々の中で何かが起こったとき、すぐにアクションに移さず、その問題について俯瞰して考えてみましょう。例えば「このサプリを飲めば発達障害がよくなるよ」とか「このオンラインサロンに入会したら発達障害の人でも簡単に月10万円稼げるよ」という誘いを受けたとします。まず、サプリには人によって効果に個人差があります。そして、お金はそう簡単には稼げません。何かのアクションを起こす前にワンクッションおいて冷静に考えてみるのです。それでも悪質な勧誘者はしつこく迫ってくるでしょう。そんなときは身近な人への相談が一番です。第三者が見てどう思うか。それが客観視を手伝ってくれます。しかし、ここで気をつけなければならないのが誰に相談するかです。精神科や心療内科、カウンセリングなどに通っている人は医師やカウンセラーなどへの相談が確実です。通院していなかったり、カウンセリングなどに通っていない人は、本当に信頼できる親しい友人(変なビジネスなどを行っていない人、周りに流されにくい人)への相談がオススメです。はじめは相談すること事体に勇気が必要かもしれませんが、相談してみると心がスッキリするものです。発達障害傾向のある人はなんでも一人でやり遂げようとするがんばり屋さんが多いので、人に頼ることから始めましょう。人に頼ることは恥ずかしいことではありません。逆に頼らないとどんどん悪質な人たちの手に染まってしまいます。

そうやって客観的な視点を養っていくと、時間はかかるかもしれませんがだんだんと自分のダメな点も受け入れられるようになってきます。それと同時に自分の良い点も見えてくるはずです。自分の良い点が見えてきたらしめたもの。その良い点を仕事や日常生活に活かせば今までよりぐんと生きやすくなるはずです。そうしてようやく、自己肯定感を上げる作業に移ることができるのです。「今の自分はこんなことができてこんなことが苦手。だから、このレベルに合わせて日常を送ろう」と思えるようになれば、ビクビクすることもなくなりますし、誤った選択もせずにすみます。ここでわかりやすく上記をまとめてみます。

どうでしょう。これが客観視を養って低い自己肯定感に悩まないで済むポイントです。「自分は何もかもダメだ」と思っている人はぜひ、上記を参考に自己肯定感について考えてみてくださいね。

執筆者プロフィール

姫野 桂

  • フリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。
  • 日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。趣味はサウナと読書、飲酒。
著書
『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)
『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)
『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)

執筆者プロフィール

姫野桂

フリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。
日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。趣味はサウナと読書、飲酒。

著書
『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)
『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)
『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)

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