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「一人暮らしなんて無理」と思う前に~知的障害のある子の自立を支える制度の話

知的障害のあるお子さんの将来の住まいについて考えます。大人になったお子さんが「一人暮らしをしたい」と言ったらどうしますか。

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 一番大切なのは本人の希望

障害のあるお子さんの将来の住まいを考えた場合、グループホームや入所施設など、支援者がいる施設を希望する親御さんは多いのではないでしょうか。実際に私が相談を受けていると、このような話をよく伺います。

「うちの子は一人暮らしをするのは無理だから、グループホームか施設に入所させたいんです」

もちろん、一番本人のことを知っているはずの親御さんの意見なので、尊重はします。でも、やったことがないのになぜ「無理」とわかるのか。そもそも、子どもの住まいのことを親が決めていいのか疑問です。どのような住まいや暮らし方で生活がしたいのか、それを決めるときに優先するべきなのは、本人の希望だと思うのです。

 選択肢を持てるように経験を積む

「そんなこといったって、うちの子は自分で決めることはできない」とおっしゃるかもしれません。でもそれは、本人に一人暮らしという選択肢を与えていないから、という場合もあるように思います 。

障害のある子は、自分で経験をしていないことを想像することは難しい場合が多いです。そこで、もし本人が一人暮らしを希望するのであれば、その練習から始めてみてはいかがでしょうか。具体的な実践をしてみないとわからないことが多いと思います。一人暮らしの体験ができる場を利用してみて、本人の中でもイメージができてくるでしょう。

障害者権利条約制定時の合言葉、「私たちの事を私たち抜きで決めないで(Nothing about us without us)」を実践するために、本人の意思を尊重して、自己決定できる環境を作ってあげてください。

 一人暮らしを練習できる施設

では一人暮らしの体験をするためにはどういった施設があるでしょうか。たとえば福祉サービスであれば、「宿泊型自立訓練施設」があります。これは、利用者が居室その他の設備を利用しながら、自立した日常生活または社会生活を営むことができるように、生活訓練、入浴・着替えや身だしなみを整える行為の支援、生活等に関する助言や相談、健康管理など、生活上のスキルを学ぶサービスを受けられます。これは原則2年間の利用です。

もっと短期間のものから始めるなら、自宅近くのウィークリーマンションで一定期間生活してみるという方法もあります。ここから就労先に通ってみて、できること、難しかったことを「見える化」して、どんな支援を受ければやっていけそうかなどを、本人と親、支援者とで確認することで次のステップに進むことが可能になります。

また、地域生活支援拠点等の整備事業として、体験の機会・場を提供する自治体も増えています。親元から離れて2泊3日程度の宿泊体験をする、1泊2日の宿泊を定期的に数回実施するなど、取り組み内容は地域によって異なります。無料または低額での体験が可能なことが多いので、まずはここからはじめてみるのもよいかもしれません。

 支援サービスを利用するために~相談支援事業者の重要性

一人暮らしを支援するサービスとしては、生活面では居宅介護、訪問看護、重度訪問介護、自立生活援助などがあります。また、お金の管理の面では、成年後見制度や日常生活自立支援事業などがあります(こちらの具体的な中身については別記事で紹介していきます)。

では実際に一人暮らしを始めてみようとなった場合に、こういった福祉サービスをどのように利用すればいいか。それを家族だけで考えるのはなかなか難しいかもしれません。

そんなときに頼りになるのが、相談支援事業者です。福祉サービスに詳しい相談支援専門員に現在の本人の状況や希望などを伝え、どんな支援が必要かアドバイスを受けながら、利用したい福祉サービスを決めて「サービス等利用計画」を作成してもらうことで、利用できるようになります。「サービス等利用計画」は自分で作ることもできますが(セルフプラン)、プロの力を借りることで、定期的なアセスメントを通じた継続的な支援が可能となり、障害者の将来の生活を支える基盤を築くことが可能になります。さまざまな場面で頼りになる存在ですので、ぜひ相談支援事業所にコンタクトをとってみてください。

 

執筆者プロフィール

渡部伸

1961年生、福島県会津若松市出身
「親なきあと」相談室主宰
東京都社会保険労務士会所属。
東京都行政書士会世田谷支部所属。
2級ファイナンシャルプランニング技能士。
世田谷区区民成年後見人養成研修終了。
世田谷区手をつなぐ親の会会長。

主な著書
障害のある子の「親なきあと」~「親あるあいだ」の準備
障害のある子の住まいと暮らし
        (ともに主婦の友社)
まんがと図解でわかる障害のある子の将来のお金と生活(自由国民社)
障害のある子が安心して暮らすために~知っておきたいお金・福祉・くらしの仕組みと制度(合同出版)

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