「自閉症の人には、肯定語を使っていきましょう!」

「自閉症の人には、肯定語を使っていきましょう!」

自閉症とパニックの関係のお話しの3回目です。
今回は、ワークも入れましたので、
クイズを解くような感じで読み進めてくださいね。

さて、自閉症の人がパニックになるのは、
情報やコミュニケーションに関しての障害があるからです。

自閉症の人たちにとって、
わかりづらさによる不具合が起きているため、
私たち支援者(家族を含む)側が改善できれば、
自閉症の人たちは、
考えやすくなったり、
不安が減ったり、
わかりやすくなります。

そして、
「情報を取る時の障害」や
「コミュニケーション上の障害」が軽減され、
パニックが減ることにもなります。

目の前にいる自閉症の人が、
なぜ、パニックになっているかの
原因がつかめていない支援者が多い中で、
明らかにパニックの原因の一つになっているのが、
支援者の話し方の間違いによる障害です。

自閉症の人たちの中には、
想像をすることが苦手な人も多くいます。
実際に起きていることはわかっても、
イメージすることや
急な変化への対応、
人の顔色を見ることや
相手に合わせることも苦手です。

そして、私たち支援者はというと、
否定語がたくさん使われる環境で育ち、
教育をされてきた経緯があり、
否定的に言われることの
言葉の裏をイメージして、
相手の求めることを
簡単に理解できているのです。

例えば、
「廊下を走ってはだめだ!」と言われれば、
歩けばよいとイメージします。

でも、自閉症の人たちに
同じように言った時に、
どうすればよいのかを
理解できない人もいます。

また、自分が正しいと思って
したことを否定され、
急に行動の中断をさせられるわけですから、
パニックになってしまうのです。

ですから、
自閉症の人が廊下を走っていて、
それをやめてもらいたい時には、
「廊下は歩きましょう」と言い、
否定語を肯定語に変えることで、
理解がしやすくなります。

否定語は、
今の行動を止めなければなりませんが、
肯定語は、
今からすることを説明してくれるので、
考えやすいのです。

することがわからない人に
何をするのかを考えさせるのではなく、
することを伝えるだけなのですが、
支援者は、このことを頭で分かっていても、
中々身につきません。

それは先ほども申しあげたとおり、
自分自身が多くの否定語の中で育っているため、
別の言葉に置き換えることが苦手なのです。

そこで、練習をすることをお勧めしています。
この否定語を肯定語に変えるのは、
支援者自身の練習量なのです。

無意識の中でも、自然に肯定語が出てくるように
練習あるのみです。

日常にある否定語を聞いたら、
シーンを思い浮かべて肯定語に直すことを、
繰り返し、繰り返し、練習をしてみてください。

では、まず手始めに、
3つの問題を出します。
この答えは最後に書きますので、
楽しくクイズを解くように答えてみてくださいね!

次の否定語を肯定語の文章に直してみましょう!

1.靴下は、脱がないのよ!

2.早く寝なきゃダメじゃないの!

3.勝手にやっちゃダメじゃない!

いかがでしたか?
簡単ですか?

ちなみに、このような会話では、
支援者が怒鳴るようなことにもなりやすく、
自閉症の人は、
叱られているようなイメージになり、
その反動がパニックの誘因にもなります。
ですから、感情はフラットな状態を保ってください。
感情の反動を避けるためにも
否定語は避けたいところです。

また、やるべきことの指示を受けることは、
自閉症の人の得意なことでもありますので、
支援者が肯定語を使うことになれ、
パニックの誘発を避けていきましょう。

答え(あくまでも肯定語の一例です)

1.「靴下を履きましょう」もしくは、「○時になったら脱ぎましょう!」

2.「○時に寝ましょう」

3.「やるときは支援者に声をかけましょう」

執筆者プロフィール

山田 由美子(福祉屋あおい)

淑徳大学社会福祉学部卒業後、知的障害者施設職員となり、利用者の人から「ありがとう」と言われたことから、一生の仕事とすることに決める。
知的障害・自閉症の人たちの幸せを願い、「特定非営利活動法人サポートひろがり」代表として、全国の支援者の相談を受け、ブログ・セミナー等で発信し、コンサルティングなど支援者の支援を行っている。
なお、神奈川県川崎市で障害者支援施設も経営している。

山田由美子
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