コラム

「急なアクシデントが起きた時のパニックを回避する」

急な変化が苦手な自閉症の人には、アクシデントがないようにと配慮をしていくことは、もちろんなのですが、人間生きていると、誰しも急なアクシデントが起きることがあります。

どこのご家庭でも、仕事中でも、プライベートで街にいる時でも、
電車の遅れ・欲しいものがない・嫌な音が聞こえたなど、不安になることは起きてしまいます。

支援者が気づかない間に、その人にとっての急なアクシデントが発生する場合もあり、支援者の支援が後回しになってしまう場合もあります。
避けられないその出来事は、誰もが予測をしていない間に、いきなり来てしまうのです。

何をアクシデントと感じるのか。そして、ご自身で対処ができないくらいの不安に襲われ、パニック状態になってしまうのかは、その人が感じ表現することですし、支援者はその人とのおつき合いの中でしか、わからない可能性もあります。

もしパニックになった時に、支援者として心配になり、その場を収めようと「もう起きないから大丈夫!」と言いたくなるかもしれませんが、今起きたことが後々、もう二度と起きないように配慮したとしても、意に反して起きてしまう可能性は高いのです。

支援者のやさしさで「もう起きないから大丈夫!」などと言うことは、後々「うそ」になってしまいますので、アクシデントは起きるかもしれないことをご本人に伝え、対処ができるよう支援をした方が良いと考えます。

「そんなことしたら、その場でパニックになってしまう!」と思われるかもしれませんが、大切なのは、アクシデントが起きた時に安心感を得られる方法をご本人が知っておくことですし、どうやって安心につなげる行動をするかを決めておくことなのです。

もちろん、今までの体験上、こういうことをしていたら落ち着くというものがあれば、それでも良いと思いますが、特に一人でいる時に、大きな不安が襲うようなアクシデントが起きてしまったことを想定し、支援者と事前に考える機会を持つことが大切です。

その自閉症の人は、急な不安に対して、何であれば一人で解消や対処することが、できる人なのでしょうか?

例えば、不安が来る状態と言うのは、いつもと違う変化が急に起きてしまうことや誰か知らない人からのアクションがあった時などが考えられます。
駅の電車が遅れているのであれば、困っていることを解消できるのは駅員さんになります。
お店で、商品が欠品しているときは、お店の店員さんが解決できるのです。

また、赤ちゃんの泣き声が嫌いな人であれば、その声が聞こえた時は場を離れるとか、音楽を聴くとか、そういう時の対処の仕方を考えておくことで、実際に不安が軽減されます。

その人が一人でできることの中から、不安解消の方法をまずは決めておき、もし不安になったらやってみようと、日頃から話しておくことですし、できれば支援者と一緒に練習をして、対処方法を身につけましょう。

ひとりでできることが中心なので、万が一の時に思い出すことができれば対処ができ、自信もついてきますし、アクシデントが発生することへの不安も減少していくでしょう。

パニックの多くは、起きたことに対して自分が何をしたらよいかがわからないことで起きています。
ですから「すること」を明確にしておくことです。

嫌なことが起きたらコーヒーを飲むなど、全くアクシデントとは関係のないことでもかまいません。
ご本人が一人でできることであり、一人で開始できること。
そのためには、それを覚えておけるように平常心の時に復唱してみたり、実際に練習しておくこと。

アクシデントは必ず起きます。
対処方法を自分のものにしていただくために、事前支援に目を向けていきましょう!



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山田由美子
山田 由美子(福祉屋あおい)
淑徳大学社会福祉学部卒業後、知的障害者施設職員となり、利用者の人から「ありがとう」と言われたことから、一生の仕事とすることに決める。知的障害・自閉症の人たちの幸せを願い、「特定非営利活動法人サポートひろがり」代表として、全国の支援者の相談を受け、ブログ・セミナー等で発信し、コンサルティングなど支援者の支援を行っている。なお、神奈川県川崎市で障害者支援施設も経営している。

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