コラム

高齢の親と障害のある子が一緒に住める施設

「私が衰えて子どもの面倒をみられなくなっても、支援がある場所で子どもとずっと一緒に暮らしたいんだけど…」このような思いを抱く障害者の親御さんは多いのではないでしょうか。
今の制度上でこの思いを実現することはなかなか難しいですが、地域によってはさまざまな取り組みがされています。

■広がりに期待、共生型グループホーム

富山を中心に展開されている、共生型グループホームというものがあります。通常の福祉サービスは対象者によって法律も違うため、高齢者向け、障害者向け、児童向けと施設別々になるのですが、元看護師3人の方々が「地域はお年寄りも障害者も子どもも一緒にいるところだ」ということで、みんなが一緒に過ごせる共生型のデイサービスを始めました。この評判が良かったので、富山県は特区にして法律の枠にとらわれない福祉サービスを提供できるようにしました。
この特区によって、富山県では高齢者と障害者が一緒に住んでいる共生型のグループホームができています。この施設のいいところは、例えば高齢者は障害者が苦手な細かい作業を手伝ったり、障害者は高齢者の持てない重い荷物を運んであげたり、お互いに助け合うことです。そうすることでお礼を言ってもらうと、生きがい、やりがいも生まれてくるとのことです。高齢の親と障害のある子が同じホームで暮らすケースもあるとのことです。
共生型のサービスは、現在デイサービスについては認められるようになりましたが、夜間のサービスであるグループホームにはまだ適用されていません。しかし、ニーズは間違いなくあるので、今後全国的に広がることを期待しています。

■多様な住まいの場ができ始めている

大分県の社会福祉事業団が、親子が同じ施設で暮らせる有料老人ホームを新しく作りました。4階建てのうち、2階は扉を隔てて半分が高齢者の施設、半分が障害者のグループホームになっています。こういった施設であれば、部屋は別々ですが、親と子がスタッフの支援を受けながらすぐ近くで生活することができますね。
(問い合わせ:大分県社会福祉事業団 097-552-1316)

このように、一つの建物の中に高齢者と障害者の施設が併設されている例は各地で増えつつあります。
また千葉県富津市では、障害者グループホームを核とした新しいコミュニティが建設されました。こちらはグループホーム6棟からなり、3棟は障害者、3棟は共生型シェアハウスとなっていて、障害者の保護者が入居することを想定したものです。JR内房線青堀駅から徒歩2分と立地もよく、地域での交流も様々な形で行われています。
(問い合わせ:NPO法人シェーネ・ルフト 0439-52-7473) 

こういった地域での取り組みにより、障害者と親の住まいについても新しい選択肢が増えてきています。これらの施設の評判が良ければ、他の地域にも広がっていくことが期待できると思います。
一つ注意してほしいことがあります。子どもとなるべく一緒に居たいという親の気持ちはわかりますが、子どもの希望もぜひ尊重してあげてください。もしかしたら、子どものほうは「親離れ」をしたいかもしれません。その自立心の妨げにならないように、親の「子離れ」も意識してほしいと思います。

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watanabe
渡部 伸
1961年生、福島県会津若松市出身
「親なきあと」相談室主宰 
行政書士/社会保険労務士
2級ファイナンシャルプランニング技能士
世田谷区区民成年後見人養成研修終了
世田谷区手をつなぐ親の会会長
著書 
障害のある子の家族が知っておきたい「親なきあと」
障害のある子が「親なきあと」にお金で困らない本
障害のある子の「親なきあと」
(ともに主婦の友社刊)
障害のある子が将来にわたって受けられるサービスのすべて
(渡部伸・監修 自由国民社刊)

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