コラム

日常生活自立支援事業とは

判断能力に不安がある人の生活をサポートする制度には、成年後見制度以外に日常生活自立支援事業があります。どんなサービスが受けられるのか、また実際に利用するにはどうすればいいのかをご紹介します。

■日常生活自立支援事業の基礎知識

日常生活自立支援事業は、日常生活を営む上で必要な福祉サービスを、自分の判断で選択・利用することが困難な人を対象にした制度です。契約に基づき、福祉サービスの利用に関する相談、助言や情報提供、金銭管理などの支援を行い、利用者が自立して安心した生活を送れるようにすることを目的としています。
この制度がスタートした1999年当初は「地域福祉権利擁護事業」という名称でした。2007年にこの名称がわかりにくい、実態と合っていないなどの理由で、現在の名称に変更になりましたが、東京などではそのまま旧名称を使っていたり、覚えやすいように独自の愛称をつけている自治体もあります。名前が違ってもその内容は同じです。
基本サービスは福祉サービスの利用援助、オプションとして日常的な金銭管理サービス、年金証書や通帳などの書類等預かりサービスがあります。
たとえば、福祉サービスを利用する際の手続きをひとりでするには不安な場合、アドバイスしてもらったり、いっしょに窓口について来てもらう。あるいは通帳や印鑑の管理が不安な場合は、金融機関の貸金庫に預かってもらう、などの援助を行います。
利用の料金は、地域や本人の収入によって若干の違いはありますが、すべてのサービスを利用しても、月額で3千円前後となっています。

■契約能力があることが利用の条件

高齢者、知的障害者、精神障害者などで、判断能力が十分でないため、福祉サービスの適切な利用が困難な人が対象となります。ただし、利用を希望する本人との契約になるので、契約ができるくらいの判断能力は必要になります。
たとえば知的障害者である子どもに利用させたいという場合、制度利用の契約をするのは利用者である子どもで、親がかわって契約するものではありません。ですので、まず子ども本人がこの事業の利用を希望していることと、子どもに契約の内容を理解する能力が必要になります。

■利用するときは地域の社会福祉協議会に相談

利用する人を支援するのは、「専門員」と「生活支援員」という人です。地域の行政から事業委託を受けている、規模の大きな社協(基幹的社協)に配置されています。利用したい場合は、お住まいの地域の社会福祉協議会にご相談ください。専門員がご本人の自宅を訪問し、相談に応じます。
契約までの流れとしては、まず専門員が訪問したときに、本人の生活状況の把握や事業の説明、利用希望の確認をします。希望がある場合は、契約締結ガイドラインという全国統一の判断基準を元に、本人の契約締結能力があるかどうかを確認します。もし専門員で判断がむずかしければ、医師、弁護士、学識経験者、福祉関係者、行政関係者などの専門家による契約締結審査会で審査が行われます。
契約締結能力に問題のない場合、本人の希望や生活状況を踏まえて、具体的な支援計画を作成し、専門員から本人に説明します。担当する生活支援員をご紹介したうえで、本人と基幹的社協等との間で契約を締結することになります。その後はこの生活支援員が継続的に訪問して支援してくれます。

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watanabe
渡部 伸
1961年生、福島県会津若松市出身
「親なきあと」相談室主宰 
行政書士/社会保険労務士
2級ファイナンシャルプランニング技能士
世田谷区区民成年後見人養成研修終了
世田谷区手をつなぐ親の会会長
著書 
障害のある子の家族が知っておきたい「親なきあと」
障害のある子が「親なきあと」にお金で困らない本
障害のある子の「親なきあと」
(ともに主婦の友社刊)
障害のある子が将来にわたって受けられるサービスのすべて
(渡部伸・監修 自由国民社刊)

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