コラム

長く続けて働くことが大切~就労定着の支援を受けよう

障害者にとって「働く」とは
地域の資源を活用しよう!
障害福祉サービスと就労①〜就労継続支援とは?
障害福祉サービスと就労②~就労移行支援とは?
障害者の就職って難しい?~どのように就活をやっていけばよいのか

「就職まではうまく辿り着くけれど、職場の人間関係などストレスが多くて長続きしない…」このような悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか?障害のある人の就労支援において、就職するまでの就活に目がいきがちですが、それ以上に就職後いかに長く働き続けることができるかが大切です。今回は就職してから定着して働くことについてお話ししたいと思います。

障害のある人の定着率の現状は?

2016年に障害者差別解消法が施行され、企業に対して障害を理由とする不当な差別が禁止され、合理的配慮の提供が義務化されました。そして、2018年4月から精神障害者が法定雇用率の対象に加わり、雇用率が2.0%から2.2%にアップしました。法律や制度面の整備は進みましたが、それぞれの職場において定着を促進する具体的な取り組みがなされているのでしょうか?

2017年の障害者職業総合センターの調査によりますと、障害者求人は選択肢は限定されるものの、障害種別に関係なく一般求人に比べて定着率は高くなっています。そして、就労前に就労移行支援などの訓練を受講している人の方が訓練を受けていない人に比べて定着率が高くなっていて、就職後もハローワーク、障害者就業・生活支援センターなどの就労支援機関の支援がある方が支援がない場合より、定着率が高くなっています。また、この調査では、離職理由について、職場の雰囲気・人間関係、仕事内容が合わない、賃金・労働条件に不満などの理由が多いことが明らかになっています。とりわけ精神障害に関しては、他の障害に比べて障害を開示せずに就職する人が多いこともあって、2人に1人は1年未満で離職しており、体力・病気の症状との関係などの課題が多く見られます。これらの結果から、障害を開示した上で支援機関を利用することで、定着率が高くなる傾向がうかがえます。

ジョブコーチが職場で支援

ハローワーク、障害者就業・生活支援センターは就職後も継続して相談を受けてくれるのですが、直接職場に入ってもらって定着を応援してくれる支援制度もあります。その1つに、職場適応援助者(ジョブコーチ)事業があります。ジョブコーチと呼ばれる支援者が職場に出向いて障害特性や病状に応じた支援方法を職場の上司や同僚に伝えてもらうなど、2~4か月間程度の支援を受けることができます。健康管理、生活リズムを整えていくことや家族との関わりに関しても助言を受けることができます。このジョブコーチによる支援を希望される場合は、全国にある地域障害者職業センターにお問い合わせください。

2018年4月から就労定着支援がスタート

また、2018年4月から障害福祉の新サービスとして就労定着支援がスタートしました。これは、生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援といった障害福祉サービスを利用して一般就労した障害者を対象とした就労の継続を図るためのサービスです。従来からも就労移行支援では、訓練を受けて就職してからも、原則6か月間はその事業所の支援員によるフォローがありましたが、新サービスでは最大3年間まで支援期間が延びました。企業や自宅などに訪問してもらい、仕事・日常生活に関する相談などの支援を受けることができます。就職後の環境の大きな変化や職場での人間関係などでストレスが重なり、眠れなくなったり、家事ができなくなったりしまうこともあるかと思います。このサービスはスタートしたばかりで、充実していくのはこれからですが、長く働き続けるために従来からのサービスや支援制度・支援機関を併用して活用していただけたらと思います。

長く働き続ける上で、これまで述べてきた支援制度や支援機関をうまく活用できるかどうかがポイントになります。みなさんが自分にあった支援機関を見つけられ、一人でも多くの障害のある方の職場定着が促進されることを願います。


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川田 祐一(かわだ ゆういち)
石川県金沢市生まれ。
同志社大学卒業。阪神淡路大震災直後、知的障害者施設で障害者と一緒に炊き出しや仮設住宅訪問など支援に取り組む。
宇治市社会福祉協議会を経て、兵庫・宝塚のNPOで障害者の就労支援に携わり、その後、起業し、10年で事業所を阪神地域で12か所まで拡大した。
現在はインターネットメディア「障害者ドットコム」の代表、大阪医専の講師を務める。

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