設立10周年を迎えて
平成28年11月22日、おかげさまでぜんち共済株式会社は設立10周年を迎えることができました。今後は役職員一同力を合わせ、更なる発展と飛躍を目指します。
11月22日は、設立記念パーティーを開催いたしましたので、当日の様子をご紹介いたします。
当社代表 榎本重秋からのご挨拶
10周年の感謝を込めて
今振り返ると、私の人生を一番大きく変えたのは、今から24年前、私が27歳のとき、AIU保険会社=現・AIU損害保険株式会社=の代理店営業担当者として「永田事務所」に出逢ったことなのだと思います。
業績主義の保険業界に対して少なからず違和感を覚え始めていた私にとって、社会に必要とされる「障がい者保険」を専門に取り扱う永田事務所との出逢いはあまりにも衝撃的でした。
特に、「日本の障がい者保険の生みの親」である代表の永田仁司氏には、業務中はもちろんのことさまざまな場面でご指導いただき、「障がい者保険」が何故世の中に必要なのか、障がい者保険制度の歴史、ご家族のご苦労、そして永田氏のこの事業に対する熱い思いを徹底的に教えていただきました。
「親の気持ちになって」という事業思想と現在の私の経営姿勢は、この間の氏の薫陶により芽生えたのだと思います。
そんな経験もあって、保険を通じて社会に貢献するということに生きがいを感じるようになった私にとっては、転職時に、東京都知的障害者育成会をはじめとする多くの関係者の皆さまから、病気をも保障する制度づくりを要請された際に断る理由は見つかりませんでした。
「この人達と一緒に真に役立つ保障制度をつくろう」。
そう決心して生まれたのが「全国知的障害者共済会」です。
その後、保険業法改正という荒波に呑まれそうになった際、関係する皆さまから受け皿となる保険会社づくりを命ぜられたことは、正に天命だったのかもしれません。
とは言え、保険業法下の保険会社をつくり上げるという難題は決して簡単なものではありませんでした。
しかし、これまで出逢った多くの方々とのご縁を大切にする中で、皆さま方からの心温まるお力添えをちょうだいし、幾多の困難を乗り越え「ぜんち共済株式会社」は世に生まれ、こうして設立10周年を迎えることができました。
事業立ち上げ時に多くの困難に直面した際に、叱咤激励してくださった仲間や先輩。専門知識が必要なときに惜しみなくお教えくださった支援者、専門家の皆さま。資本金や人材が集まらずにどん底にいた私を救ってくださった方々。会社経営に行き詰まった際に進むべき道をお教えくださった経営者仲間、先生方。
そして、何よりも当社が生まれたことを心から喜んでくださり、ずっとご支援をいただいておりますお客さまや福祉団体、代理店、提携会社の皆さま方。
これまで当社を支え続けてくださった、すべての方々との出逢いに心から感謝申し上げたいと思います。
『すべての出逢いを尊び 心を尽くし 誰にも優しい社会を創造します』
これからも当社は「障がい者保険」創業の思いを受け継ぎ、当社に集まってくれた素晴らしき仲間と一緒に「社会に必要とされる真の保険会社」を目指すとともに、誰にとっても幸せな「共生社会」を創ってまいります。
ぜんち共済株式会社 10年のあゆみ
設立経緯
当社は、平成12年7月に相互扶助の精神に基づいて、全国の知的障がい者とその関係者の方を対象として福利厚生制度を行うために設立された「全国知的障害者共済会」を前身としています。
これまで、知的障がいがあるが故に十分な保障が受けられなかった方々にとって大変素晴らしい共済であると多くの方から高い評価を得てまいりました。
平成18年の保険業法の改正に伴い、2万人を超える加入者の受け皿として、さらには一人でも多くの知的障がい・発達障がいのある方が、今後も幸せで平穏な生活を送れることを願い、「ぜんち共済株式会社」が新たな株式会社として誕生しました。
平成12年 | 7月 | 知的障がいのある方の福利厚生制度を提供する「全国知的障害者共済会」発足 |
10月 | 「新せいめい賠償共済」販売開始 |
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平成14年 | 8月 | 協賛団体が20団体を超える |
平成15年 | 5月 | 「新せいめい賠償共済」の契約件数が1万件を超える |
7月 | 65歳~74歳向けプラン「シルバープラン」販売開始 | |
平成16年 | 11月 | 協賛団体が30団体に |
平成17年 | 4月 | てんかん入院見舞金制度の導入 |
6月 | 年間支払共済金が1億5千万円を超える | |
平成18年 | 4月 | 改正保険業法が施行 |
11月 | 改正保険業法に対応するため「ぜんち共済株式会社」設立 (資本金1,000万円) |
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平成19年 | 9月 | 全国知的障害者共済会の「新せいめい賠償共済」の契約件数が2万件を超える ぜんち共済の資本金を3,500万円に増資 |
11月 | 本社を東京都千代田区神田和泉町から千代田区岩本町に移転 資本金を7,500万円に増資 |
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平成20年 | 2月 | 関東財務局より少額短期保険事業者として登録を受ける -関東財務局長(少額短期保険)14号- |
3月 | 資本金を9,460万円に増資 | |
4月 | 「ぜんちのあんしん保険」販売開始 |
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平成22年 | 6月 | 一般社団法人日本少額短期保険協会の会長に社長の榎本重秋が就任 |
平成23年 | 3月 | 収入保険料が5億円を超える |
平成24年 | 3月 | 「ぜんちのあんしん保険」の契約件数が3万件を超える |
平成25年 | 2月 | 「ぜんちのあんしん保険」料率改定 |
平成26年 | 3月 | 収入保険料が8億円を超える |
6月 | 第2回「日経ソーシャルイニシアチブ大賞」企業部門ファイナリスト表彰 | |
平成27年 | 3月 | 当社主催「第1回障がい者雇用セミナー」開催 |
4月 | 「ぜんちのこども傷害保険」販売開始 |
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平成28年 | 3月 | 「ぜんちのあんしん保険」の契約件数が4万件を超える 収入保険料が9億円を超える |
4月 | 改正障害者雇用促進法の施行に伴い、権利擁護費用保険金の補償範囲を拡大 | |
5月 | 当社主催「第2回障がい者雇用セミナー」開催 | |
11月 | 設立10周年記念パーティー開催 |
お祝いの言葉
『心からの感謝を込めて』
ぜんち共済が創立10年を迎えられましたことを心からお祝い申し上げます。
過去の資料を読みますと平成12年7月に生命保険などに加入が難しい知的障がいのある人を対象に仲間同士が助け合う全国知的障害者共済会(全知共済)としてスタートされています。
すでに知的障がい者向けの保険はありましたが、全知共済の設立により、さらに保障の充実が図られました。
障がいのあるなしにかかわらず、人は病気やけがで入院する可能性があります。
知的障がい者の場合、ちょっとしたことで他人のものを壊してしまう場合もあります。
また、めったにないことですが、トラブルに巻き込まれることもあるでしょう。
そんなときに障がいがあるからという理由で保険に入ることができなかったら、それにかかる費用はすべて自己負担となってしまいます。
ですから、知的障がいのある人を抱えているご家庭では、この共済ができたことでどんなに助かってきたか計り知れません。
親として心から感謝申し上げる次第です。
平成18年、保険業法が改正され、この年に全知共済からぜんち共済株式会社として再スタートされましたが、その後の取り組みは素晴らしく、知的障がいのある人たちの障がい特性やニーズを把握し、てんかんによる入院保障、権利擁護の観点から弁護士費用の補償など必要な保障や補償を追加してくださいました。
さらに障がいのある子供向けの保険も発売され、保護者や支援者の大きな安心につながっています。
いつも、障がいのある人とともに歩んでくださったことに心からの感謝を込め、これからのますますのご発展をお祈りしてお祝いの言葉とさせていただきます。
東京都知的障害者育成会 理事長 佐々木 桃子さまより
『安心した暮らしのために』
ぜんち共済設立10周年をここに迎えられるにあたり、千葉県知的障害者福祉協会より心からお喜び申し上げます。
平成12年に知的障がい者の福利厚生のために発足された全国知的障害者共済会を前身として、今日まで榎本重秋代表を中心に事業の推進にご尽力され、ここに一つの節目に到達されたことは、障がい者福祉に永きに取り組んできた私たちにとっても意義深いものと受け止めているところです。
知的に障がいを持つ方々への保険制度は全くと言ってよいほど整備されていない状況の中、片方では地域への完全参加と権利擁護、共生社会の構築など、制度は濁流のごとく押し寄せてきたわけでございます。
障がいを持つ方々の障がい特性、高齢化による健康の管理、生活のすべてを支えているご家族へのサポートなど利用者を別な視点から守っていく仕組みが必要であると全国で叫ばれていたことを記憶しています。
そのような中で幅広くさまざまな保険内容を取りそろえたぜんち共済は、福祉事業を営む当協会会員事業所からも期待の声を多く聞き、また、安心への裏付けにもつながってまいりました。
とりわけ、障がいを持つ方々ご本人とそのご家族に対して、安心した生活を送ることのできる一つの基盤が整ってきたものと思います。
今、社会からの障がい福祉への期待と並行し、大きな不安も抱かざるを得ない時代の中、人の暮らしの安心とは何なのか?
行政をはじめとして障がい福祉事業者、関係者の全てが連携をもち考えていくことが必要です。
ぜんち共済の今後のますますの発展と、真に必要な事業の実践を祈念し、加えてこれからも良きパートナーとして、歩むことができるようお願い申し上げ、設立10周年のお祝いのご挨拶とさせていただきます。
千葉県知的障害者福祉協会 会長 里見 吉英さまより